ももちゃんの一分間説教

今週の一句 「 ほおずきの　西空染めて　梅雨明けぬ 」 ―もとゐ― 1999年7月18日(日) 　年間第16主日　マタイ 13：24〜43 　良い地に蒔かれた私たちは、根を深くのばし隣人になるよう栄養を与えられ続けています。 　今の世は日本のように政治家や資本家が自己の権力・地位を得、守るために合従連衡し、リストラ首切りを平然と行う、「悪しき者」の跳梁する世界です。その世界にあってボランティア、正義と平和、環境保全に取りくむ人々は少数でありながら「悪しき者」たちと闘っています。 　この世界には良い麦と毒麦が混住しているのです。私個人の内部でも同じです。しかし、この世界に、また、私に、からし種、即ち、イエスが来られたのです。イエスは私を変え、世界から悪を追放したのです。からし種、パン種が自分の身を空にして木を育て、パンを膨らませるように、イエスは身を委ねて悪を滅ぼしたのです。 　さあ、私たちは「この世」の支配者に恐れることなく地道な活動を絶やさず続けて行きましょう。神が三十倍、六十倍、百倍の実を結んでくれるのです。

今週の一句 「 梅雨晴れ間　追いつ追われて　あかね色 」 ―もとゐ― 1999年7月11日(日) 　年間第15主日　マタイ 13：1〜23 　イエスに招かれた「新しい生」の途上、私たちはその軛に耐えかねて放棄することはしばしばです。しかし、イエスのもとで一服するなら、再び、歩みを開始できるのです。 　イエスの生は、「この世」の生とは異なります。「この世」は私たちに子供の時から競争を押しつけます。競争について行けない子、他の道を行きたい者には落ちこぼれ、変人とレッテル貼りをします。競争は学校だけではなく、会社でも、隣近所、社会でも間断なく続きます。一息つく暇もなく、幾つになっても落ちこぼれ、変人になって行くのです。競争で上位に進めない人々は、手近な快楽、弱い者いじめに耽ってストレスを解消するのです。自分自身と他者を失っているのです。「この世」は、道端であり、石地であり、茨の繁った所なのです。 　しかし、イエスの生の場は神のふところなのです。神への全き委ねにより神が生かして下さるのです。種は種の力だけでは成長できないように、私たちも自己に頼るのではなく、自分を生かすものに自己を委ねたとき新たな自分になるのです。 　さあ、神に信頼して、今日も,隣人になる旅に出かけましょう。

今週の一句 「 草叢の　ツユクサ一輪　梅雨忘れ 」 ―もとゐ― 1999年7月4日(日) 　年間第14主日　マタイ 11：25〜30 　イエスは私たちを「新しい生の運動」に招いています。私たちの留まっている「旧い生」はどうでしょうか。今、日本はリストラの嵐が吹き荒れています。本来の再構築を忘れて安易な人員削減が横行しています。企業の支配者たちは自分たちの利益を守るために、社員を切り捨てて行くのみです。世界的にも同様です。首切られる恐怖に私たちは、生き残るために魂（自分自身)を失っています。98年自殺者総数3万人越す。その内経済苦の自殺7割増、と7月2日の新聞報道がありました。 　さて、イエスの「新しい生」は、競争ではありません。ゆるし、受け容れ、仕える「隣り人になる」ことです。 「疲れた者、重荷を負う者は、誰でもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう。」（マタイ 11：28） 　魂を見いだす生です。もちろんその生には軛があります。しかし、それさえも「隣り人」、イエスが共に担いでくれるのです。 　さあ、イエスを信じ、安心してイエスの招きに応えましょう。