「依存症のかっこつけまん」

スタッフ 小川十人


 こんにちは、依存症のかっこつけまんです。ミーティングの際にアノニマスネームで使っています。いい顔をして、認められようと無理して潰るタイプの自分は、裏側の自分を出すこと止めてしまうので“自分が何者なか”忘れがちです。

 「依存症のかっこつけまんです!」と宣言すると 、最初ら自分本質を認めることができて、話すの楽になったりします。自分の性格を良いとか 悪いとかでなく、認めるかないで生き方変わってきました。いろいろな回復の道具を使い自分のための、自分の取扱説明書を作っています。

 あと 、自分には祈りがも大切です。信じるものが変わり、薬物や偽りの自分よりも、もっと 何か大きなものを信じ始めました。

 名古屋ダルクに来て、ちょうど2年が経ちました。スタッフとしては1年が経ちました。自分の新しい生き方はい ったりきたりですが、確実に前向きに進んでいることを信じています。

 回復には上り坂と下り坂しかないという言葉を聞き、腑に落ちます。下り坂の先は過去の生き方、もうすでに見た景色。薬やギャンブル、支配し合う人間関 係。アディクションの最中が自分の居場所。そして、上り坂は初めて見る景色。許してつなぐ手、感謝と喜び。自分は、いとも簡単に下り坂を転げ落ちていくけれど、救いの手はいつもそこにある。自分はそれを掴むか、掴まない か。今までに登ってきた場所は何度も確認して、落ちてもまた登れるようにする。他の人へ伝えていくこと、他の 人から素直に聞くことで、道がどんどん広がっていく気がしています。

 今までいろんな事実、人間を否定して、反 抗が信仰だったのかもしれない、寂しかったのかもしれない、薬やギャンブルでごまかしてばかり。甘えていられ る人間関係は自分からコントロールしようとしてやった事で、結果は相手も自分も傷つけました。“甘え”と“助け” を求めることは別物だったと思います。

 まだ癖は完全には抜けないけど、これからのステップで、傷つけてしまっ た人たちへの埋め合わせでは覚悟を忘れずに向き合っていきたいです。

  今、スタッフとして自分の回復として、いろんな人たちと出会うようになりました。刑務所、病院、教会、学校、 相談機関などに仲間と共にメッセージに行っています。その中での出会いが自分を徐々に成長させてくれています。 ヤク中の人も、そうでない人も理解しあえる瞬間がとっても嬉しいです。嬉しくて泣いたこともありました、こん なことは人生で初めてかもしれません。もちろん自分は緊張したり、怒ったり、失敗して悲観的になったりするのですけど。乗り越えてみると清々しい自分がいるんですよね、不思議なことに。これはやっぱり体験しないとわからなかったことです。

 過去は乗り越える前に、依存行為に逃げまくってましたから!!“まず、恐れていることか らやる”これは回復の鉄則ですね、教えてもらったことですが。(この原稿はギリギリまで逃げて、締め日を過ぎて 夜中にやっています・・・忙しいからと言い訳をしながら・・・)

 最後に、依存症の回復は生半可じゃできねえ!かなりきつい!・・・でも生きるってこういうことらしい!過去も、 今も、支えてくれている人たちに感謝しています。ありがとうございました。
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