「6年の足跡」

ナデイケアセンター長   倉地 光一


 梅雨入りのニュースが気になるこの頃ですが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?

 このニューズレターが皆様の手元に届く頃には梅雨入りしているかもしれませんね。ダルクの仲間たちは毎日晴れることを期待して、晴れれば元気よく名城公園に運動プログラムへ出かけていきます。

 雨の日はうんざりしながら室内のプログラムを行なっています。中には雨を喜ぶ仲間達も(笑) 僕もかつては天気に一喜一憂でした。天気でさえも自分の思い通りにしたい自分。どうにもならないことに対して感情を乱していました。プログラムのお陰で自分が無力なものに対して受け入れることを覚えていきました。雨の日は、雨ならではの過ごし方を学んでいきました。こうやって自分の生き方を変えていくことをダルクの仲間たちは身につけていきます。とは言ってもやっぱり晴れた天気が一番気持ちいいんですけどね。

 現在ダルクでは17名の仲間たちが生き方を変えるためにプログラムに励んでいます。スタッフ研修の仲間も2名おり、忙しいですが支え合いながら毎日の業務をこなしています。治療共同体としてスタートして8ヶ月経ち、少しずつ成果が出てきました。以前でしたら現在の仲間達の人数を対応しきれず、こぼれ落ちていってしまう仲間達がいました。中には依存症が再発し、刑務所から手紙が来ることもありその度に悲しい気持ちになっていました。ですが共同体としてプログラムを行なっている現在は以前よりも仲間を支える力がついてきました。プログラムの充実も計り、リカバリーダイナミクスでより12ステップの理解を深め、心理ワークで心の取り扱いを学び、そして段階制を取り入れたことでより積極的にプログラムを行う仲間たちが増えました。共同体の力を借りて仲間たちは薬物依存からの回復を目指しています。

 私ごとですが、約一年という期間、講義を受け5月中頃にアディクションカウンセラーの試験を受けました。本当に必死になって朝は早く起き、夜は遅くまで試験勉強に取り組みました。新しい生き方のおかげで結果は委ねてベストを尽くすことができ、試験も無事に終えることができました。この原稿を書いていると結果報告の連絡があり、結果は見事に合格です。学んだことを仲間たちのプログラムに活かせるように日々精進していきますのでこれからもご支援よろしくお願い致します。