「再起」


名古屋ダルク代表 柴 真也


 皆さま、お元気でしょうか?
 私は最近、疲れています。(笑)理由は色々ですが、体調も優れません。
 しかし、仕事を休む程ではなく、日々ダルクの活動を続けています。
 あまりネガティブな文章にならないようにしますね。

 ダルクには日々、薬物問題の相談の電話があります。今年度から新しく職員も入ってくれました。そして、今年度からデイケア事業も定員を増やせるよう申請中です。年々、ダルクに対する需要も高まってきています。私たちの活動ができる範囲内で活動を広げていきたいです。ダルクは依存症になった人たちが人生の再起をかけてリハビリを行う場です。そこには薬物依存から回復に向かっている人がいます。冒頭にも書きましたが、私自身、多忙の中で疲れちゃったようなところがあります。ですが、私自身も再起をしたいです。多忙で死んでいるみたいに生きているのはイヤなので。(笑)

 ダルクの活動は私だけでは何もできません。辛い時、1人で頑張っちゃう悪い癖が私にはあります。認めた上でお願いします。助けてください。私は依存症の仲間たちのサポートはできます。かれこれ17年、薬やアルコールのクリーンがあります。他のことは…ほとんどできません。

 今、ダルクは職員も増え、新しい場所で定員も増やし、混乱の中で奔走しています。新しい福祉サービス事業への移行を進めています。移行時、補助金が2ヵ月ストップします。つなぎ資金が不足しています。定員も増やせたので、ダルク利用希望者も来てほしいです。困っていることは色々ありますが、協力してくれる方がいたら、とても嬉しいです。私とダルクメンバーは再起を目指し、今日一日だけベストを尽くしています。いつもありがとうございます。



                     「居続けること」


名古屋ダルク職員 加藤 純矢
 ここ名古屋市北区の一角は昔城下町だったそうで、周辺には猫道や旧建築物も数多くあり、お年寄りや元気な子供たちも多い下町雰囲気の残る場所です。ダルクはこういった地域で活動を続け、今日も薬物依存症で苦しむ人達が助けを求めてここにやって来ます。過去、私も助けを求めてきた一人です。

 過去、私は今までのやり方に降伏することなく幾度とリラプス(再発)を繰り返しました。手首に手錠が架かることもありました。…これから先どのようにして生きていけばよいのかわからず名古屋に来ました。過去の体験や重荷を仲間達に分かち合ってもらいました。肉体や精神の健康を少しずつ取り戻していきました。こんな私にも希望が少し見えてきました。

 ふと落ち着く瞬間に自分に与えられたことを思うと不思議です。過去何をやっても何をしても止めることが出来なかった薬やアルコールが止まっていること、過去傷を付けた家族や友人と修復が始まっていったこと、何処にも雇ってもらえなかった自分が仕事をしていること、誰からも相手にされなくなっていた自分に家族ができたこと、人を変えて場所を変えて生きていた自分がこの場に居続けていること・・・数え上げたら切りがありません。

 私の力ではどうにもならなかった問題に奇跡がおこりました。そして多くの恵みが与えられました。過去仲間に「居続けるだけでいい」と言われ、当時の私は否定的な感情しかありませんでしたが、その言葉は簡単のようで難しく私にとってとても重要であったことのように思います。これからの私の役目は繋がってくるアディクトへメッセージを伝えていくことだと感じています。ここが薬物依存症者の回復の場として存続し続けていられることは皆様のご賛同があっての事だと感じております。そしてこれからも皆様方のご支援とご協力の程、宜しくお願い申し上げます。


              「希望」

名古屋ダルク職員 藤原 新太郎


 名古屋ダルクに繋がり、利用者として1年半過ごし、職員となり1年が過ぎました。約二年半前、僕はボロボロの状態で名古屋ダルクにやって来ました。散々薬物を使い続け、人は離れていき帰る場所もありませんでした。当然、夢や希望なんてものは何も無く、自分の人生は終わったと思っていました。周りにいる仲間達の希望のメッセージにも耳を傾けることもなく嘆いてばかりいました。

 そんなある日、当時職員であった今のスポンサーである智樹さんに「いいから騙されたと思って三年やってみろ」と言われました。その言葉を言われた時、三年後の自分なんて想像も出来るわけなく、ただ返事だけしたのを今でも覚えています。


そんな僕が今年の10月で三年を迎えます。振り返ってみても楽しいことより辛いことばかりでしたが、今はやってきて良かったと心から思います。繋がったときにはまさか三年後にダルクで職員として働くなど考えてもいませんでしたし、薬が止まるなどとも思っていませんでした。あのときのうさんくさいと思った言葉が今ようやく理解できた気がします。幸せはもう自分にはこないと思っていましたが、少しずつ感じられるようになった気がしています。手にした自由を手放すことなく。今後とも名古屋ダルクを温かく見守って下さい。



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