「ホープを御支え下さる皆様へ」

ナイトケア「ホープ」責任者 津山 智樹



 お支え下さる皆様のおかげさまで、10月1日より新しいナイトケアでの生活が始まりました。小さな車に荷物を積み階段で運び上げる。何往復した事でしょうか。一人では大変ですが、青年が6人も居ると、みるみる作業がはかどりました。物件を借りる資金にも窮しておりましたが、私どもの活動に深い御理解を下さる方から救いの手が届きました。居間では皆が遅い晩の食事を作り始めます。屈託のない笑い声が響きます。(毎日のことですが、夜のミーティングから戻ると21時→筋トレ22時迄→寮に戻ると22時30分)お風呂も切れ目なく、どんどん入ります。落ち着くのは23時過ぎです。午前0時消灯ですが、消灯前にはどの部屋からも寝息が聞こえ始めます。この生活を毎日続けていれば自然と健康的になります。ダルクにつながってくる人は殆ど家族に連れられてやってきます。私達は、途方に暮れ同じように延々と続く惨めな人生しか見えませんでした。踏ん張って生きようとする力はどう考えても弱かった。ある人は“オレなんて幸せになる資格ねぇし”皆、似たような感覚を持って繋がってきます。とても痛ましい言葉です。そんな私達も健康的な環境に渋々身を置き、私たちを受け入れ歩み寄って下さる方々に接すると奇跡が訪れ始めます。その為に必要なことの一つに、先にどん底から這い上がった方々の経験があります。素直に聞いてやってみる事。10月にトルコのエリアコンベンションに参加、マサトとシンタローが行ける事になりました。トルコを選んだ理由の一つに、二人と同世代のアオ(青山大介:トルコダルク代表)が言葉も文字も読めない状態で現地に赴き、今や同時通訳できる迄の苦労と努力を乗り越えた姿に接し感じてもらいたくトルコにしました。彼もまた、私達と同じトコロからの出発です。イスタンブールダルクに皆で行くと、名古屋ダルクの写真が貼ってあります。“此処が原点ですから”と云っておりました。色々なハプニングもありましたが、現地のミーティングに毎日参加し、通訳のおかげで話を聴き、話をして“一緒なんだ”の共感を全員が得られた事は大収穫でした。帰国直後二人にどうだった?と聞けば、“また行きたいっす”初日に“ミーティングってイイっすねぇ”と二人。これは、奇跡です!次の機会にこの二人がメンバーと共に行く日は近いでしょう。

 マサトは自立に向けた生活が訪れ始めました。毎朝6時には出勤しています。起きだす物音、洗面の音、歯を磨き、髭をあたる音が終わると、“はぁーーー”とタメ息をついて出勤。

 シンタローは現在、私が柴さんに手渡して戴いたように、刑務所メッセージや拘置所はじめ様々な所へ名古屋ダルクとして足を運び続けております。教区内の教会にも今後、彼が来訪いたします。御支援のお願いをして戻った夜、ユウヤとコーイチと三人で礼状を書いており、辞書をめくる人、言葉遣い等、三人で騒々しく書き上げておりました。

 ミツとクマは現在二人で香川ダルクのプログラムに参加中です。こうして弱い私達は寄り添って一年で一番危ない年の瀬をシラフで乗り越えてゆきます。ダルクとホープを御支え下さる皆様の祈り、私たちの回復と成長を祈ってつなげてくれた家族の祈り、友人達の祈りは私たちのタマシイにしっかりと繋がっております。その切っても切れない目に見えないつながりを、個々がふと感じられた時、私たちは生きる喜びを手にします。
       “Parts of miracle”

 私の双子の弟の好きな言葉です。そう! 私たちは奇跡の一部、ホープに居る青年の屈託のない笑い声を聞くとそう感じます。先日豊田聖霊会の草刈りに行きシスターと皆で茶礼をしていた時、“煉獄”の話をして頂きました。深い悲しみを超えた喪失感や失意、絶望感を抱え乍ら私たちは生きています。勿論、喜びや希望もですが、天国に昇る為には煉獄なるトコロでウェイティング。現世に居る人がその煉獄にいるタマシイのために祈らないと行けない!驚きました。ダルクにつながった私達は幸いです。生き乍らにして多くの方々に祈って戴いていること。私達は大切な人を傷つけ続けてしまいました。だからこそ回復に責任があると常々感じております。そして各々がまずは自身の為に祈ります。回復の場と機会を御支え下さる皆様のおかげで私達は再生を果たす機会が与えられました。心より感謝いたします。

 今年もまた過ぎ去ろうとしておりますが、今日一日、良い事も、望まない事が訪れても自分が変わり続けるために与えられたギフトと私達は伝えられ信じて祈ります。

 御支え下さる皆様、どうぞよい年をお迎えください。今年一年お支え下さり、ありがとうございました。

献金件数(ナイトケアハウス・ホープ)
23年8月 5件 1,026,550円
9月 5件 33,000円
10月 2件 6,000円
20件 1,065,550円

 継続的なご支援を戴きましてありがとうございます。おかげさまで新しいナイトケアハウスに引っ越せました。4DK 6名定員、とても広く、皆喜んでおります。
ありがとうございます。

郵便振替口座番号: 00800−4−133552
加入者名: 名古屋ダルクナイトケアハウス基金


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