枝垂れ梅

ダルク後援会会長 竹谷 基


 先日、名古屋市にある天白農業センターへ出掛けた。というのは、有名な枝垂れ梅を見るためであった。二年前にも行ったが、その時は、きれいはきれいであったが、終わりかけで大分色あせていた。今回も、暖冬で早く咲き始めたので、どうかなと思っていたところ、それはそれは、今盛り、見事な美しさであった。垂れ下がった枝にこれでもかと言う程、びっしりと隙間のないぐらい花がついているのには感動した。柔らかな陽射し、暖かな風、すべてが調和しているとき、各々の生命は光り輝く、と思った。

 昨年来の米国初の金融危機は全世界を不況にし、派遣切りなど、弱い立場に置かれている人々を一層苦しめている。それは、一握りの強者が倦むことなく富を独占しようとしていることが起因だ。政治の混乱、官僚の不正も然り。持てる者、力のある者は弱い立場の人々のためにその財、能力を使うところにこそ価値があるのではないか。勝ち組、負け組と人を分断することはあってはならないのだ。

 インドの弦楽器にサーランギと言うのがある。「サーランギ」とは百の音色と言う意味で、39本の弦があり、うち3本は主弦、残り35本は共鳴弦である。「百」というのはむろん無限を表わし、つまり、無限の音色が奏でられる、それは、主弦と共鳴弦が調和してはじめて生まれるということなのだろう。「サーランギ」は主弦と共鳴弦が調和したとき「サーランギ」になるのだ。

 人間社会もそうではないか。互いが尊重し合い、助け合うところが真の「人間社会」になるのだ。
名古屋ダルクでリハビリする者の薬物依存症そのものも真の「人間社会」でないから、つまり、弱肉強食の社会だからこそ発症するのではないか。

 みなさまのお陰で、ダルク後援会は真の「人間社会」を実現するための一端として、名古屋ダルクを応援しています。来る09年度も、みなさまとご一緒に名古屋ダルクを支援して行きたいと思います。

 どうか、みなさまのご理解とご協力を引き続きお願いいたします。

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