チェンジ

ダルク後援会会長 竹谷 基



 「チェンジ」、ご周知のように、今回、米国の大統領に選ばれたオバマ氏のスローガンであった。そして、米国国民はその声に賭けた。米国には深刻な課題が山積している。出口のないアフガン・イラク戦争、カジノ経済による世界的な金融危機、日本以上の格差による貧困者の増加、等々。閉塞する米国の立て直し、「チェンジ」をオバマ氏に託したのでしょう。私はオバマ氏の勝利演説にあった、「アメリカの強さは、武力や富によるのではなく民主主義・自由、機会と希望にねざす」※1の言葉はこれまでの米国のあり方そのものを根本的に「チェンジ」する、との決意ではないでしょうか。そして、それは、アメリカだけではなく世界、日本にも求められる言葉ではないでしょうか。

 しかしながら、今回の追加経済対策を見るかぎり、現状維持、つまり、自民党、金持ち、経済界、官僚の利益を守ることだけになっている。特に、4人家族で6万円の定額給付金が目玉だそうだけれど、明らかな、選挙目当て。しかも、後日付けが回ってくる恐ろしいもの。「国民から毎年40万円取り上げて(定率減税廃止や社会保障の改悪など、小泉内閣以来、総額12兆7千億円、4人家族で年間40万円もの国民負担が増えたこと。)、一回だけ6万円戻すが、次の年には40万円の負担に戻し、3年後80万円取り上げることになる。」※2との指摘。何たることじゃ、相変わらず、明日のことは知らんという無責任な話し。「チェンジ」はいつのことやら。

 ダルクは前回にも書いたように、薬物依存からの体質改善、まさに、「チェンジ」にトライしているところです。しかも、経済対策のような、即効性、その場限り的ではなく、長い長い目で、一生を懸けて取り組むところです。そのためには、依存者の熱意はもとより、みなさまの暖かいご理解とご協力がなくてはできません。今年一年も、ご支援くださり、ありがとうございました。

 今般、名古屋市からの補助金確保のため、名古屋ダルクはNPO法人を取得せざるを得ませんでしたが、むしろ、法人化による支出の増大、また、経済的に独立できない岐阜、三河ダルク応援のための支出もあり、財政的に苦境に立たされています。

 支援してくださるみなさまに、これ以上の願いは心苦しいですが、薬物依存から「チェンジ」しようとする者たちに、引き続き、一層のご理解とご協力をいただけますようお願いいたします。

 みなさまの上に、よきクリスマスと新年が訪れますようお祈りいたします。

                                            ※1、2『赤旗』より



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