朝青龍問題?

ダルク後援会会長 竹谷 基



 朝青龍、この人の名前の出ない日はない。いつも言うように、ニュースのトップにこの人の話題が出る日本は一体どうなっているのか。たかが、相撲の横綱じゃないか、言わば、芸能人の一人、バラエテイ−番組や週刊誌の類の話で笑うしかない。しかし、それが、NHKのニュースにまで連日取り扱われるとなると、日本人の関心はそれしかないかと押しつけられる。視聴者もそこまでバカにされているかと、怒りたくなる。もっと、国民に知らせることはいくらでもあるじゃないか。

 マスコミのこういう姿勢にはいつも勘ぐりたくなる。安部首相の責任問題を反らせたり、格差問題、ネットカフエ難民問題、温暖化対策、アフガン・イラク戦争、等々の最重要問題に蓋をしたりと、国民を愚民化する権力者たちのお先棒を担いでいるのじゃないかと。朝青龍はそのスケープゴートにされちゃったのだ。
朝青龍も気の毒だ。芸能人であれば、やんちゃだ、我が儘だですむのに、国技だ横綱だと言うことでそれがゆるされない。横綱と言っても、まだ、26才、世間には親の脛をかじってやりたい放題しているのはいくらでもいるじゃないか。彼の経歴を詳しくは知らないが、小さいときから相撲一筋で社会性はまだまだ身に付いていないだろうし、若くして頂点に立ったから傲慢にもなるだろうし。そして、八百長疑惑があったから臭いものには蓋となったのだ。今回の問題は、彼をそう育ててきた相撲界、マスコミ、世間が起こしたと言えるのじゃないだろうか。

 かくして、人は問題があったとき、個人の所為に原因を帰して、社会や構造上に求めない。何故か、そこまで追求すると、誰もが、特に権力者たちは責任から逃れられなくなってしまうからだ。たとえば、薬物依存問題は「薬」に手を出す、意志の弱い人がいるからだ。同じく、ホームレス問題は、怠け者だから、社会に適応できないからだと、個人の責任にされてしまう。そして、社会は責任逃れし、安逸に暮らす。

 薬物依存問題は社会の無責任が原因だ。子どもを、人を掛替えのない「命」として大切に、じっくり、ゆっくり、手間暇惜しまず育てて行くことを放棄し、成果だけを性急に求める社会のあり方が原因ではないだろうか。

 ダルクとの関わりは、私の生き方を問いかけて来る。
 どうか、みなさんも、「命」を育むダルクへ参加しませんか。


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