夏は避暑

ダルク後援会会長 竹谷 基


  連日、極暑が続き、暑さ嫌いの私は青息吐息。に比べ、ほんとうに、他の日本人は勤勉だ。聞けば、欧米では夏を長期バカンスで過ごすらしい、私には羨ましい。真夏に、仕事や勉強の能率は上がらないだろうし、また、高校野球の決勝も感動的だったけれど、もっと季節のいい時にやれば、と思うのは私ぐらいかもしれない。しかし、こういう暑い時にこそ、頑張って、みなさん、背広をちゃんと着て満員の通勤電車で通っておられることに、私には到底出来そうもないから、まことに、敬服するばかり。今は、就職難で働き手は不利な時代。役に立たない人はどんどん使い捨てられる。よけい、夏、バカンスは取れないだろう。

 さて、このような社会に馴染めない人も必ずいるだろう。あるいは、途中で、病気になる人もいるだろう。先日、06年8月12日付けの中日新聞にはそのような調査が紹介されていた。それによると、企業の62パーセントが心の病にかかる社員が増える傾向にあると考えている、という。増加の理由では、1,「個人で仕事をする機会が増えた」1,「職場でのコミュニケーションの機会が減った」1,「職場での助け合いが少なくなった」ことが上げられている。そして、背景には、企業による成果主義や目標管理制度(目標を設定して達成度を評価する)の導入があるとしている。

 つまり、職場が戦場となっているのだ。成果ばかりを競う、競争主義、管理主義が社員相互のつながりを分断し、孤立化させ、心の病を発症させているのだ。夏は暑いから休みます、とは言えない場となっているのだ。

 心を病む人を減らすには、今の社会を根本から改めねばならないだろう。経済的価値一辺倒の社会から「生命を大事にする」社会へ。その具体策はまだ、私には分からないが、競争ではなく「共生」、互いを認め、受け入れて行くことから始まるのではないかとだけ思っている。先の新聞記事には処方箋として「横のつながりの回復」を指摘していた。まさに、互いに、関わって行くことからではないか。

 ダルクはスローライフです。病を負った人たちと共に生きて行こうとする運動、ひいては、病にならず生きて行ける社会になることを目指しています。

 どうぞ、みなさまも、この運動にご一緒しませんか。


戻る