オリンピック中毒

竹谷 基


 オリンピック真っ盛り。日本人選手の活躍に国中は大騒ぎ?わたしもその一人。しかし、まったく、日本人は総スポーツバカか、毎朝5時のNHKラジオを聞くと、この間は一番にオリンピックニュースが来る。おいおい、もっと大事なニュースがあるだろう、イラク情勢は年金問題は、等の政治や経済のニュースを聞きたい私には何故かバカにされた感じ。NHKは国民をバカにしているのか。あたかも、国民の第一関心事がオリンピックであるかのように。もっと肝心なニュースを流してくれよ。すべからく、日本のマスコミは大本営発表で、軽佻浮薄の横一直線だ。ワールドカップの一時期、大リーグでの日本人選手の話題、相撲、高校野球、芸能ゴシップとどのチャンネル、新聞を見てもそれしかやっていない。ある意味で、国民を洗脳しているのじゃないか。イラク戦争よりワールドカップ、プロ野球熱を煽り、いつの間にか、自衛隊派遣や年金改悪を既成事実にしている。まあ、国民も嘗められたもんだ。朝から一日中オリンピックやら芸能人の離婚騒動を見せられるんだから。

 個人的には初めにも書いたようにオリンピックは好きだが、この過度のバカ騒ぎはどうかと思う。 というのは、もっと考えるべきこと、しなければならないことが山積していると思うから。 もちろん、 時には、はめはずすお祭りも結構。でも、まずは、やることをやらなくちゃ。 だから、私は名古屋の「ド真中祭り」の騒ぎっぷりも度を越していると思う。 つまるところ、日本の支配者たちは国民をお祭り漬けで愚民にし、政治家や官僚、財界人のやりたい放題の国にしたがっているのだ。 これは、 斉藤貴男さんが指摘しているように「ゆとり教育」の中味が「優生思想」だ、ということに合致する。( 「そこで現実に高い会社的地位を占めている人間は進化した人間であると短絡し、社会全体をよりよく進歩させるためには彼らを優遇し、逆に社会的地位が低い劣った人間≠ヘ抑制されなければならないとの主張」斉藤貴男「『非国民』のすすめ」 筑摩書房)

 オリンピックでの金メダル競走も同じだ。金メダルを獲れる優秀なスポーツ選手にはいくらでも金をかける。獲った者には更に栄誉を与える。この国ではエリートにはチヤホヤ優遇するが凡人には厳しく年金さえ減らすのだ。だから、支配者は時々祭りをやる。古代ローマ帝国では「パンとサーカス」だったと言う。凡人たちの不満を吐かせるために。騒いで酒飲めば疲れちゃうもんな。

 オリンピックはダルクのメンバーの薬の役を私たち凡人にしているかもしれない。日頃の悩みや不満をオリンピックを見ることによって感動し、興奮して疲れて眠って忘れさせてしまう、ある意味では逃避だ。確かに、夜中まで放送しているよな。頭朦朧とさせて会社に行けば首になるよな。そうやって、だめ人間を作り出していく。

 そういう世の中で、ダルクのメンバーが薬に頼らずに生きていけるというのは何だろう。「自分を受け容れる」ところから回復が始まると言うが、これなんだ。つまり、「逃避」から真正面に受け取ってぶつかって行く、ということじゃないだろうか。

 私たちもオリンピックを楽しみながらも、 その覆い隠す現実に向いてぶつかって行くことが「祭り中毒」からの回復になるのじゃないだろうか。


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