「炊き出しを通して」 |
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AVANTGARDE 1年 酒井 幸千恵 私は炊き出しなどの活動を通して、自分自身の視野が広がったのではないかと感じている。AVANTGARDEに入るまで、ホームレスのおじさん達を見たことさえなかった。サークルに入っても最初の数ヶ月は炊き出しの活動はなく、「炊き出しってどんな感じなのかな」と若干不安もあった。去年の7月に初めて炊き出しを経験し、現在に至るが、最初は「私には何ができるのかな」と不安で仕方がなかった。 しかし、今では自分自身が変わったのではないかと感じる。おじさんたちと接しているうちに、「世の中には本当に様々な人がいるのだ」と改めて感じた。有名国立大学を卒業していたり、医師免許を持っていたり、司法試験に合格したようなエリートと言われている人々もホームレスだったりする。このような事実を知った時、ホームレスになるかならないかは本当に紙一重の違いなのだと心苦しかった。 ホームレスには自己責任でなったと言う方々も多いが、必ずしもそうではないと考える。もちろん自己責任でホームレスになった人もいないとは言えないが、社会の仕組みによってホームレスになってしまった人々も大勢いる。誰だって若い時はどんなに苦しい肉体労働にも耐えることは可能なのかもしれないが、年を重ねるにつれて肉体労働には耐えられなくなる。これは仕方がないことであるし、誰にも文句を言うことはできない。おじさん達の中には文字も読めなかったり、書けなかったりする人もいるかもしれない。だから、肉体労働でしか生計を立てることが出来ないおじさんも中にはいると思う。 私はまず、しっかりと教育を受けられなかったおじさん達がいることに問題を感じる。当時は仕方がないことかもしれないが、可能な限り、何らかの対処をすべきだ。そして、再就職の厳しさもホームレスがなくならない原因だと考える。ある程度年を重ねた人々にとって再就職は非常に厳しいものがあるし、資格などもなければなかなか厳しい。おじさん達は非常に過酷な生活をしているし、人との交流も少ない。だから、炊き出しを通して少しでも人と交流を持っていただき、楽しい時間を過ごして欲しい。おじさん達は過酷な生活をしているにも関わらず、私たちのことを気にかけてくれる。おじさん達は本当に強いと思う。少しずつでもおじさん達のことを理解し、少しずつでも構わないから、おじさん達の役に立ちたい。おじさん達に対する目線は非常に冷たいので、少しずつでもおじさん達のことを理解してもらえるように、私自身がもっとおじさん達を理解したい。 |