1995年度炊き出し活動報告

竹谷 基


〈年間炊き出し〉
 毎週2回月・木の名古屋駅と栄の二か所のホームレスへの炊き出しは、月曜日をプロテスタント教会(日本基督教団、ルーテル教会、聖公会、名古屋炊き出しの会)、木曜日をカトリック教会が担当しています。名古屋駅と栄周辺で野宿を強いられている500〜600人のうち約半数の250〜300人が私たちの炊き出しを利用しています。前回も報告しましたように、一回の炊き出しには約20名の人手を必要としていますが、教会婦人の高齢化によりその確保が困難となって来ています。既に、来年度は3教会の撤退し、残り11教会と1修道会となり、人手の減少は待った無しになっています。従って、各教会と教会外への呼びかけを広範に行うことが急務になっています。
さらに、現行の炊き出しの方法を見直し、大量路上炊き出しから少量食堂炊き出しへの転換を考えています(詳細は「ももちゃん便り」1号を参照)、そのためには地域住民の理解と協力が必要なので話し合いを計画しています。
また、一方では、ホームレスの有志の方たちの協力が始まりました。大きな釜での飯炊きやお茶沸かし、畑で採ってきた野菜の水洗いは彼らにはうってつけの仕事となりました。作業の合間の昼食やお茶は、新たな交わりの時になっています。
 
〈衣類サービス〉
 衣類や毛布に不自由しているホームレスへの提供を月から土の10:00〜16:30まで行っています。毎日、5〜6名の利用者が来ています。衣類は全国の教会を始め市民からの献品でまかなわれています。
 
〈風呂サービス〉
95年9月より週2回月・木の午後風呂の提供を倉庫にて始めました。風呂に入ることの困難なホームレスの方にさっぱりしていただこうと、約13万円で簡易携帯風呂をで購入しました。 どこでも、持ち運びができますので泊まり込みで畑仕事に行く場合も利用しています。風呂焚きは、ホームレスの人たち自身が担当しています。風呂の利用者と話しもでき、畑作業などの新たなメンバーになっています。
 
〈人材活用センター〉
 ホームレスの人たちの能力を活かそうと、力仕事、運搬、庭仕事、他を請け負うことを始めました。高蔵寺教会とその信徒宅の二か所の植木の手入れ、引っ越しの手伝い一か所、荷物の整理一か所を依頼されました。
 
〈畑作業〉
昨年度に続き、臼田さん、日本基督教団中濃教会のご協力の下、高蔵寺・美濃加茂の二か所で野菜作りをしました。ホームレスのおじさんたちの熱心な働きによって今回は玉ねぎ、ジャガ芋、キュウリ、ナス、ピーマン、オクラ、大根、ネギ、の大収穫となり、炊き出しの貴重な材料になりました。また、作業を通じての交わりも秋祭りなどとなって活発に行われました。
 
〈クリスマス会〉
12月10日ホームレスの人たちを招いてクリスマス会を催しました。相馬信夫司教のミサに引き続きパーティーで楽しく歓談しました。約60名の参加がありました。
 
〈高齢者アパート基金〉
 昨年度より始めた同基金は、高齢者で野宿を強いられている人たちに住居を提供するために設立されました。前年度には二人の女性が入居しそれぞれ活躍されています。今年度はIさんに提供できました。彼女は63歳で、9月に福信館に衣類をもらいに来たのが初めての出会いでした。一年前から野宿をするようになって、仕事を探しているが住居がないので見つからないということでした。それ以来、野宿をしながら炊き出しや畑作業を手伝ってくれるようになり越冬中はとても貴重な働き人となりました。1月末からアパートで生活を始め、仕事も見つかり、現在、週6日働きに行っています。
 
〈ホームページ開設〉
炊き出し関連、ボランティア活動の情報を多方面に流すことを目的に開設しました。アドレスはhttp://fukusinkan.com/
 
〈越冬炊き出し〉
 ’96.12.29〜’96.1.4まで第21回越冬活動の炊き出しに協力しました。年末年始にもかかわらず5修道会、2教会の参加がありました。
 
〈資金作り〉
 炊き出しの運営資金作りと炊き出しへの協力を呼びかける恒例のバザー、春・秋祭りを布池公園にて開催しました。多くの人々の働きによって合計約200万円の利益を得ることができました。特に今回からは、仏教者の協力が得られるようになったことは有り難いことでありました。また、同様に、チャリティーコンサートを7月15日布池文化センターセシリアホールで行いました。今回は世界的な音楽家のホセ・アグアヨ氏のリコーダ演奏会でありました。
              (文責:竹谷 基)

「ももちゃん便り」目次に戻る