炊き出しに参加して

AVANTGARD 3年 斎藤 尚哉



 僕たちは毎週木曜の夜に、矢場町でホームレスを対象にしたレクリエーションと炊き出しを行っています。

 僕が炊き出しに始めて参加したのは、今年の四月でした。友人にそういった活動をしている団体があるとの話を聞いて、参加してみようと思ったのがきっかけです。
最初のうちは何をすればよいのか、またホームレスの方に対してどう接すればよいのかわからず、苦労しました。

 しかし、何度も参加するうちに徐々に馴れていき、やがてホームレスの方とも楽しくしゃべれるようになりました。

 炊き出しを通じて、僕は自分の視野を広げることが出来たと考えます。例えば、ホームレスの方から聞く仕事の話や生活の楽しさ・辛さなどの話は、ボランティアを始めなければ知ることもなかったのではないかと思います。

 また、僕は人と話すことが大好きなので、ホームレスの方たちとの交流をとても楽しんでいます。
炊き出しにはたくさんの人が来ます。陽気な方が多く、話し好きな人が多くいます。彼らと世間話をしていると、思わぬ知識を得ることができたりします。

 そして何より、僕は人に奉仕することの喜びを知りました。

 炊き出しに参加するまでは、ボランティアと聞くと「疲れる」とか「大変そう」とか「面倒臭い」と言った、なんとなくネガティブなイメージばかりを思い浮かべていました。また、「無償で誰かに奉仕するなんて……」とも考えていました。

 しかし、参加すると、こういった考えは誤った認識だったことに気が付きました。確かに作業は大変なときもあります。ですが、終わった後に得られる達成感はとても大きいのです。
人の喜ぶ顔を見ることでこんなにも自分が良い気持ちになるとは、かつての僕には思いもよらなかったでしょう。

 僕は今後も炊き出しに参加し、自分の視野を広げていきたいと思います。そして、炊き出しを通して、もっと人間的に成長できるように頑張っていきたいと考えています。


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