2006年度福信館炊き出し活動報告

文責 竹谷 基



 06年度の活動報告をします。しかしながら、昨年同様の総括からはじめなければなりません。
 「一人の死者を出すな。野宿生活をしなくてよい社会を!」と始められた野宿生活を強いられた人々(以下、ホームレスと略。)への炊き出し活動は残念ながら06年度で27年も過ぎることとなりました。この間、経済情勢の悪化より、年々、失業率は上がり、ホームレスになる人々も増加の一方でした。2003年「ホームレス自立支援法」の制定は、ようやく、ホームレス問題解決を国や地方自治体の責務としました。従って、私たちの活動も、緊急避難的炊き出しのみならず、行政といっしょに「仕事」と「住居」の確保による経済的自立を目指す活動のため2001年NPO法人ささしま共生会を設立しました。

 『格差社会』の言葉はここ2,3年よく聞くこととなりましたが、ホームレスの方から見れば、既に日本にありました。ホームレスの方の前身の日雇い労働者の存在からしてそれを証しします。実は日本の高度経済成長そのものが『格差』を生み続けていたのです、ただ、隠蔽されて見えなかったのです。しかしながら、グローバル化、構造改革、新自由主義経済はさらに弱肉強食を一層強め、ホームレスの方の増加となり、『格差』が目に見えることになったのです。そのようにホームレス問題は経済構造上の問題にもかかわらず、世論は自己責任の問題にすりかえ、行政や人々は排除、無関心を強め、子どもたちの暴行傷害事件を引き起こすこととなっています。昨年11月、教区内の岡崎市で起きた殺人事件は記憶に新しいことでしょう。

 このような中、私たちの活動は誰もが幸せになる社会構造への変革、そして、ホームレスの方をはじめ弱い立場に立たされている人々と連帯することが問われていると思います。というのは、イエス・キリストが社会の最底辺の人々が幸いになるよう立ち上がられ、最後まで関わり続けられた、この福音にこそ生きるように私たちは招かれているからです。

 私たち自身の生活も一層、苦しくなっているからこそ、教会のもとで、小さくさせられた人々と共に生き、闘う道を選択したいと思います。

<年間炊き出し>

 食の提供は元より、何より出会いと交流を大事にしています。わたしたちとホームレスの方との接点となっています。先入観、偏見を取り除けられるよう努めています。

 NPOのもとで、月曜日はプロテスタント教会、木曜日はカトリック教会の担当で行われています。炊き出しは気象警報が出た場合以外、無休で行われるので、ボランティア確保には苦労しています。幸い、布池、南山、城北橋、小牧、恵方町、東山、長浦、春日井、高蔵寺、江南、一宮の各教会、聖霊会、後藤グループ、南山大学ボランティアサークル・アヴァンギャルド、他の協力でボランティアは集められています。今後は、他の教会へと広げて行きたいと考えています。

<天白川訪問>

 04年2月から河川敷に野宿生活を強いられている人々への訪問をしています。毎月第2、4月曜日の午後から、お弁当、下着、薬などを持って行きます。現在23名の方が野宿されています。今年度、1名は、生活保護によるアパート生活を経て、高齢化のためグループホームに入居しました。他1名は同じく治療入院しています。

<越冬炊き出し>

 年末年始をホームレスの方と過ごすため第32回越冬活動を行い、夜の炊き出しを担当。プロテスタント教会と分担、カトリックは12月28日、31日、1月2日を行いました。修女連、一宮教会、アヴァンギャルド、他の協力を得ました。

<生活相談>

 衣類に不自由している方、生活、健康問題、住居をさがししている方の相談に応じています。アパート紹介、生活保護受給のお手伝いをしました。

 月・木曜日10時から16時まで、福信館で行われました。
 今年度は6名の、生活保護受給による住居提供をしました。

<交流会>

 ホームレスの方、居宅保護の方との情報交換、交流をした。

 月一回、多治見修道院、農作業と交流会。多治見教会のボランティアが多治見市内のホームレスの方を誘い、一緒に農作業をして、交流を深めるようになりました。

<広報、啓発>

ニュースレターの発行しました。
名古屋大学、5月2、9日、宗教と人類文化で講義。
南山国際中学、5月29日、7月3日、人間の尊厳で講義。
全国キリスト教教師研修会 8月10日、天白川案内、ホームレスの方との交流会。
布池教会、12月16、17日、炊き出し献金ミサ。
聖霊高校、学外授業、1月20日、天白川訪問。

<募金>

春祭り−炊き出し支援バザー−4月29日、開催しました。利益608,678円。
多治見教会バザーに出店、10月29日。平針教会バザーに出店、11月5日
夏の募金、343,003円。クリスマス募金、1、523、193円、ありました。


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