シンポジウム 今、ホームレス問題を考えよう
〜 聴こう、語ろう、分かち合おう人権を 〜

と き/1997年12月6日(日) 午後1時30分〜4時

ところ/東別院会館2F萩の間
    名古屋市中区橘2-8-45

参加費/無料

主 催/名古屋炊き出し連絡協議会
    カトリック福信館炊き出しの会
    日本聖公会中部教区愛岐伝道区
    日本福音ルーテル教会尾張岐阜地区宣教委員会
    日本基督教団中部教区愛知西地区教会婦人会連合
    日本基督教団中部教区愛知西地区社会部

後 援/笹島キリスト教連絡会


総合司会
 これからシンポジウムを始めたいと思います私は今日総合司会をさせて頂きます日本キリスト教団広路教会長田といいます宜しくお願いします今日のシンポジウムは「今ホームレス問題を考えよう」で副題が「聴こう語ろう分かち合おう人権を」というテーマで皆さんと一緒にお話し合いをしたいと思います今日の会の主催は「名古屋炊き出し連絡協議会」と言いまして主にカトリックとプロテスタント要するにキリスト教関係の人々でホームレスの方々に炊き出しをしておりますけれどそのメンバーが主催で会を持ちたいと思いますので宜しくお願い致します
 今年の夏8月の末27日でしたが若宮の名古屋高速の下の冒険砦が撤去されたことは皆さん覚えていらっしゃると思います冒険砦で子ども達を遊ばせたいでも何やら人が沢山いるしかも小屋掛けしていて子ども達も怖いと言うし遊ばせたくないという多くの人の声を聞くことが多かったですが実際には撤去されてしまったわけですがでもそういう風にしてホームレスの人達で困ったという声をもっともっと真剣に伺いたいと思うそしてホームレスの問題で困った困っただけでは困るこれをどうしたらいいだろうかみんなで考えて行きたいと思いこのシンポジウムを持ちました
 今日はパネラーの方2人お願いして出席して頂いております1人はボランティア代表で竹谷神父でもう1人は市民のお声を聞くために橋爪さんにお願い致しましたこのお二方の話を聞いて皆さんもそうだこんなこと困っているこんなことがあったあるいはこうしたらいいんじゃないかという声を皆さんと一緒にお話を聞きながら語り合いたいと思います心の中に溜めておかないで是非一言でも二言でも話して頂けたら有り難いと思いますそれでは司会の野村にお任せします

野  村
 それではいまから「ホームレス問題を考える」というテーマで行います私司会を致します日本聖公会の中部教区で牧師をやっております野村と申しますシンポジウムですから基本的には今ここにいらっしゃるお2人の方にまず話の切り口を提供して頂いてその後ここにご出席の方々とざっくばらんに今日は何言ってもいいとそういった会にしたいと思いますので皆さんからの忌憚のない御意見を頂きながらホームレスのことについて考えて行きたいと思います世の中ほんとうに不況で随分失業者の方々が増えている中でホームレスあるいは炊き出しにくる人達の数も激増しているという状況がありますですからそれは必ずしも他人事ではなくて我々自身の身に降りかかってくる問題でもあるところで話し合いを進めていきたいと思います時間は一応は4時までで途中一度うまくブレイクをつけたいと思いますが今日は4時までずっとそういう話を続けるというつもりでどうぞご出席下さいでは最初に橋爪雅子さんの方からお伝えをして頂きたいのですが彼女は多分御自分で話すと思いますが職安の傍のビルに勤務されていますですからいろんな意味で日常的に日雇いの人達を見たり聞いたりしてそういう中からご発言頂けたらと思います

橋  爪
 橋爪でございますあの今日なんか訳分からずここに来たというのが正直です私はキリスト教会に通っている者でもありませんしホームレス問題を深く思ったこともない者でありますただ私は今御紹介頂きましたように笹島にあります職安のすぐ横にあるビルに勤務しております毎日いろんなことが目につくわけで何か危害を加えられたとかそういうことではないんですが日常あそこの道を歩く目につく我々それが非常に思わず目を覆ってしまうこともかなり多いわけでそこを少しお話させて頂きたいと思うのですが
 一時期この冬寒い時期になりますと今年はまだないんですが去年あたりあの職安のところに私のビルの傍に沢山自転車があるんですそこかどうか私は分かりませんその方達がホームレスかどうかも私には分からないんですが何十台という自転車を山積みにしてそれを燃やすわけですねそうするとその傍を通るともう臭いなんてもんじゃなくてゴムが燃えるわけですしそれからそこを燃やしているためにアスファルトにポコンと穴が開くわけですでそこへあと紙を燃やしたりいろんなことをやる暖をとるためにするわけなんですねそうすると雨が降ったり風が強い日になるとその灰が道を歩くともうものすごい勢いで舞ってくるわけなんです我々は仕事していてスーツ着てその傍を歩こうと思うと思わずその道を避けて通らなければいけないというような状況であったり非常にその臭いがいつまでも臭って去年あたりは本当に迷惑な思いをしてるわけなんです
 それと朝の11時頃までが一番のピークでしてあそこに毎日職を探しにいらっしゃると思うのですがその残られた方かどんな方か分からないんですが殆ど毎日のようにあそこにお酒を並べ朝から宴会をされてるわけなんですねそこで酔っぱらってはっきり言っておしっこですとか道でされるとあの道を歩くだけで非常にくさい臭いがするわけなんですねあの一応トイレでして頂ければいいかなと正直な気持ち思うわけでそこの道を通るということが我々が日常通る道であるんですがそこを避けて通らなければいけないという状況がやはり一市民としてその道を通れば近いのにわざわざ遠回りして行かなければならないとかまず車は通れない状況なんですね11時頃になるとばっと人が立ちはだかってもう通れない状況なんですよ仕事に出ようと思ってもあそこの道が通れない毎日それは迷惑をしてるわけなんですね
 今なくなりましたけどあそこに一時期駐車場がつくってあったんですよその駐車場に月極めで入れている人がかれらが座り込んでいるのでバックしようと思っても出来ない状況が2,3回あったんですそれでどいて下さいと一時期すったもんだしたことがありましてお金を払って借りている駐車場なのに出るに出れないということがあったりとか私は深くは分からないんですが日常そういうことでどうかなと思うことがあります
 それと若宮大通りを走って毎日冒険砦が今撤去されたせいでどんどん小屋がこちらに移ってきているのですねあそこの信号で止めるんですがあそこ良い景観の公園だったと思うんです犬の散歩したりとかいろいろ散歩するのにブリッジがあって非常に歩くのに素敵な公園だったと思うんですが今見事にあそこに小屋が立ち並んであそこを歩く気にはならないと思うわけで市民の憩いの場として作った公園であるのにじゃ何処へ住むのかという問題もあるかと思うんですそういう深い問題は分かりませんがそういうものを彼達がいるのがいいのかどうかという問題を感じるわけでみんなのものであるということね忘れてはならないと思うわけで
 それとよく喧嘩をしてるんですね酔っぱらって一時期私があそこのビルの下の駐車場に車を入れるのですが入口のところでまさに朝5分前で急いで入れようと思ったところで目の前で3人その人がホームレスの方なのかどうか私分からないんですがあそこで喧嘩をして一人の人に自転車を投げつけて私の目の前で顔面が割れて血が吹き出ているという状況を見たらそこへ入れようと思っても目の前でやられてるもんですから何とも言えない思いがありますそういう問題が日常起きているわけでそういう問題を感じています

野  村
 有り難うございました皆さんに後程議論の中でコメント頂きたいと思います次に福信館炊き出しの会で長いこと働いていらっしゃる竹谷神父さんにお願いします

竹  谷
 竹谷といいますカトリックの福信館というところで炊き出しの世話係をやっています私の話は私が何故炊き出しに関わっているかということをお話したいと思いますまず炊き出しに関わったのは一九八一年今から約15,6年前の時期ですその前はやはり偏見を持つていましてホームレス街で出会いますとどうしてこんな人がいるんだろうかどうしてこんに汚い格好して街を歩いているんだろうせめて我々の目からどっかへ行ってくれないだろうかあるいは私の目の前から居なくなって欲しいとそんな考えをずっと抱いていましたしかし一九八一年炊き出しに関わるようになってから何故このような人達が今いるんだろうかあるいはこの人達はどういう生活をしていたんだろうかあるいはどうして今ホームレスをしなければいけないのだろうかということをいろんな人から聞いたり自分で勉強したりして学びました
 で結局はホーレスムという方々が結局は日本の今の経済とか産業の仕組みの中で必然的に生み出されて来る人々例えば山一証券がこの間潰れましたがあの中の何人かが再就職できなくてひょっとしたら家も手放してあるいは家族とも離れて野宿するかも分からないですね今の日本の産業は必ずそういうホームレスを生んで行くだろうとさてそして私とホームレスはどういう関係があるのだろうかということです
 大昔の本ですがかつて吉野源三郎という方が「君たちはどう生きるか」という本を書きましたその中に主人公のコペル君というのが出てきますコペル君というのは地球は回っているコペルニクスですねそれをもじったわけですなぜコペル君という名前が付いたかというと彼は学生の頃人間は自分一人で生きているんだと考えていたんですね自分の力で人間は生きていると考えていたところがある時それが思い違いだった考え違いだったということが分かったんですねそれで彼は当時の丸の内のビルから地上を見た時に多くの人々が走り回っている動き回っている出前持ちとか郵便配達人であるとかあるいはサラリーマンとか沢山の人が動いているわけですね彼ははっと気がついたわけです自分が生きているというのは人々の中で生きているつまり我々の社会というのは網の目のように人々が関わり合っているその関わりの中で初めて自分は生きられるということを発見したわけですね今まで自分一人で自分の力で生きていたと思っていたことが実は人から生かされているのだ自分が生きているんじゃなくて自分が今ここにあるのは多くの人々がいて多くの人々がいろいろな活動をしてそれがずっと繋がっていてその中で初めて自分が生きているつまり人々から生かされているだからコペルニクス的転換というのですね自分が生きているんじゃなくて実は自分が生かされていたんだということに気が付いたんですね
 私もやはり同じでしたそれまで人間は自分の力で一人で生きているんだと考えていたんですがところがそれは大間違い多くの人々が網の目のように隣同士互いに協力し合って初めて自分は生きて来られるまあ皆さんもそう思いますねここに今何故自分はいるんだろう何故自分は今まで生きて来られたんだろうと考えた時に決して自分一人では生きていなかったと思うんですね多くの人々親をはじめ兄弟あるいは友人知人はたまた南米の農民あるいは太平洋で魚をとっている漁師とか石油を掘ってる人々そういった多くの人々との関わりの中で生きているということに気が付いた
 ということは実はホームレスの人も私の生きている中でやはり彼らもいた彼らもいるわけですねかつては日本の産業経済を支えてきた労働者つまり日本の社会を支え作ってきた人々が今や家が無い職業が無い金銭に困っているそしてホームレスをしなくてはならないだからホームレスをしている人と私は今まで生きてきた中でずっと関わってきたということに気がついたんですね彼らがいなければ私の生活など成り立たないんだだから網の目の様に互いに協力し合って生きているわけですからその中で私は生活に恵まれているわけです一方ではホームレスの方は家が無い失業とか病気高齢化という失業してホームレスしなければならない悲惨な生活送っているわけですね私と彼は繋がっている筈なのにお互いに生かし合ってもらったにもかかわらず私は恵まれた生活をしている一方は不自由な生活をしているこれはおかしいのではないか今まで私は彼らのお陰で生きてきた恵まれてきたんですね私はホームレスの方々のボランティアをしようと言ったのは自分が生きてゆく上で自分と繋がっている人々が不自由な生活をしているそれは耐えられなかった自分の中で自分が生きて行く上で人が自分が今まで彼らのお陰で生きてきたにもかかわらず彼らが今困っているわけですね不自由な生活を強いられているじゃ自分が恵まれた分を彼らの本当に人間らしい生活ができるように協力しなければ私が今まで受けてきた恩を無駄にしてしまうんではないかと考えたのですねだから本来はお互いに網の目のように網も一ヶ所破れればその網が使いものにならないわけで私が生きていくといった時にいつもこの人々の協力で初めて生きられるだから網の一部分が破れればそこは繋がなければならないということですね一言で言えばホームレスの方に対して今まで自分が恵まれた分をお返ししたいということでしていますあと皆さんの意見を聞きたいと思います

野  村
 有り難うございました言ってみればずっと炊き出しに関わってきた竹谷神父とホームレスの日常の現状を垣間見てきたお二人の対照的な感じ方をみなさんに話されたと思うんですねどっちが正しいとか間違っているとかではなくて今日はむしろざっくばらんに正直なところと言いますか今日は何言ってもいいということですのでそれぞれいつも感じていることを披瀝して頂ければいいと思うんですが
 まずその前に今お二方からお話頂きましたのでそのお話の中でもう少しクリアにしたいこと分からなかったことがあればご質問頂ければと思います

A  氏
 後から来たのですみません冒険砦が撤去された後の生活はどうなっているか

野  村
 まだそこまでいってませんがいろんなことについて共通理解を持ちながら話をしていった方がいいと思いますので冒険砦が撤去された後そこにいた人達がどうなったかそのあたりに詳しい方

松  本
 名古屋市の方から冒険砦の撤去高速道路の橋脚補強工事その二つがセットされて出てきたわけです3か月の赤ちゃんと若い夫婦と赤ん坊のおばあさんそういうファミリーの人がいます七十歳前後の方が二人身体障害者の方が二三人知的障害と言われている人々それからいわゆる土木建築の仕事があればその仕事をするが無いためにそういう人達を含めて三五から四十名いましたが特に私たちその問題が起きて相談を受けたときに私が一番感動したのはその仲間たちが先ほど御紹介した乳飲み子を抱えたフアミリーのことをなんとかやってくれということですね2番目には高齢とか病弱とかハンディキャップを持った人達をやってくれおれらはいいという感じで相談を受けて対応したんです
 いわゆる制度今の日本の生活保護法の中で名古屋市の福祉行政こういうところに行ってこういう申請をすればこういう対応ができるあなたはこういうことがと申請の方法を教えるああそうだったのか私は知らなかった知らないために馬鹿を見ちゃう知らない為に無駄な努力をしている最初にフアミリーが解決出来ました生活保護を受けることが出来て勿論お父さん再就職出来て高齢障害の方ではやはり名古屋市を通して施設に入ったのですあとはいつか自分たちもそうやってやれるかもしれないけれど当面冒険砦のような形で強制的に追い出されることはないから
 最後に例の新聞・テレビで報じられたように強制的に引きずり出された六名の方自分たちは本当にゴミのようにああいうことされるのはたまらないということでせめて出されるにしても黙ってこの問題の何たるかを社会に訴えることもなく出ていくことについてはうちらはかなわん最後は出されるかもしれないが自分たち言いたいことだけは言うということで残っていた人達なんですそれが約五名くらいですねその方たちはあくまで市長さんをはじめ話し合いでどうして解決できないだろうか話し合えば解決出来るはずだと自分たちは何でもかんでも子ども達の遊び場市民の憩いの場を占拠してそこがおれたちの住むところだと権利を主張しているんじゃない自分たちは出来れば野宿しなくても済む名古屋市になればいいと思っている市民の人達も自分らがこうしていることに対して迷惑なことは充分承知している主張ばかりでなくその中には申し訳ない皆さんの憩いの場に止むを得ず居座ったりしてご免なさい本当に申し訳ないしかし自分たちはここにいなくなっても公園とか何処か必ず公のところで野宿せざるを得ないからAという所からBという所へ移ったところでAの所は解決してもまた新しくBという所で市民に迷惑かける結果としてはそういう構造があるわけですから根本的な解決にはならないこういうことが繰り返されるのは自分たちはもう厭だその都度自分たちがゴミのように見られるのはイヤだだから今回この問題に対してそこにある根本的な問題は何だろうかということを訴えていたんですね
 結論は先ほど言ったように排除されましたが五名の方も当然仲間達が一緒に暮らしていますほとんど冒険広場の東西に移動して今でもそこで住んでいます

野  村
 有り難うございますということですが宜しいですか

K  氏
 今の説明の中でよく分からないんですよね解決できるのか彼らの意志でもってそういう生活をやってるのかどうかその辺私もよく分からないもので教えて頂きたいと思います

野  村
 最初のご質問がその冒険砦から追い出された人達がSさんのお話では生活保護を受けた人施設に入った人それ以外の人達が居住の場所をどういう風に与えられたのか多分与えられていないと思いますが二番目が例えば社会保障等々で彼らの生活というものが本当に守られるのか彼らのある意味で自由意志というものがあるのではないかというふうに伺ってよろしいでしょうか

K  氏
 それとそういった状況の中でそういう雰囲気的なものがそのような具体的な弱さの確認の中で・・・

野  村
 そうしますと居住の場所がどういうふうに与えられたのかあるいは与えられなかったのかについて補足して頂ければと思いますが二番目の生き方にか関わってくるのでそれについて竹谷さんの方から

松  本
 冒険広場に関して当初から関わってきた者として現場見ていて知ってる範囲で言いますと先ほど言ったように名古屋市が出てくる以前にそういったニュースが報道されて労働者の仲間内でその中でさらに弱い人たちから何とか自主的に解決してやって欲しいというので対応したわけですねですから最初はそういう私たちが生活保護法の制度特に乳飲み子がいた場合の母子家庭とか母子寮への制度とかですから仲間内のそういったアドバイスがあり我々が知っている社会保障制度特に福祉制度を教えてこういうふうに申請すれば出来るということを教えていってできたのですそれから一人の人は姉と野宿している中で病弱になっていてこれは医療扶助を申請すれば出来るだろうということでその人は入院したわけですね生活保護法の一つの医療扶助全部で七つの扶助があるんですがその一つの医療扶助を受けて入院することができたそれは名古屋市が関わっているわけですそれ以外の人達はみんな仲間達が新しい居住の場を協力し合って移動したわけですねですから今も自主居住ホームレスを続けているわけです制度に関してはそういうことです

野  村
 有り難うございますでは神父さん

竹  谷
 私の短い経験の中で出会ったホームレスの方について話をしたいと思いますもちろん現在大半はホームレスをせざるを得ない人たち大半は日雇い労働者ということで日雇い労働者になる経過はいろいろと会社の倒産等ありますが日雇い労働者そのものは非常に不安定な仕事と生活を強いられるわけですねもう一つ私の経験した中で三五歳の若さなんですね見た感じは丸々太って結構元気そうな青年なんですね彼と顔を合わせるようになって聞いたんですね「どうしてあなたそんなに元気で若いのにどうして野宿してるの気があれば就職してもいいんじゃないか」と言ったんですが野宿始めて七八年になると言うんですねどうして野宿始めたんだ実は会社に勤めていた頃スキーに行ったところ初心者の方が自分より上のほうから滑ってきて自分にぶつかった自分はそのせいで谷に転落して両足骨折しちゃった約2年近く病院で治療して退院したのですがその後見た目には足は何ともないんですが寒い時とか梅雨の時足が痛くて立っていられなくなるその中で働きに行くんですがなかなか長く勤まらないということを繰り返している内に野宿をするようになった足が悪いということで生活保護出来ないかと言うと見た目が何ともないですからね神経痛ということですから障害の認定も得られないしまた若いですから生活保護も得られないで勿論市役所に行けば仕事探しに行けという話ですから彼は結局障害者のほうも認められないし生活保護も得られない今何をしているかというと街を歩いて拾い拾ってはそれを現金に替えてやっと生活しているこの方は現行の日本の生活福祉の対象にならないですよね彼は拾い屋をして月幾ら位もらうかというと六千円と言うんですね六千円で食べて野宿して食べ物も拾ったりしてそれで生活しているそういう方が多分もっともっといると思うんですねそれは表に出ない彼らはひっそりと痛みとか苦しみを出さなくて生きている人も多いんじゃないかなと僕は思っています

野  村
 有り難うございましたほかに何か

B  氏
 お父さんがあるにはあるんですがそういうところに入ると無理や自由がきかないから厭で勝手にホームレスしてるという風に

野  村
 ホームレスの人たちが居住出来るそういうものが行政サイドであるかどうかということですね

関  谷
 笹島診療所と言いまして野宿していた日雇い労働者の方の生活支援団体の職員の関谷と申しますいわゆるホームレスの人達を診療して保護できる施設厚生施設があるんですがこれは名古屋市の植田寮という所がありますだったらそこに入ればいいじゃないかと誰しも思うと思うんですが確か植田寮の定員は百人でしたよね単純に考えて頂いて今名駅・栄周辺で六百人くらいの方が野宿してるわけですから絶対数が足りない私もよく笹島診療所の方で相談を受けますと植田寮に入りたいという希望があるんですねところが定員が百で絶対数が足りてないわけですからそういう方が希望しても入れないわけですよ福祉事務所の職員はいやあそこは体の悪い人が入るんだよと断るんですよもとからの精神からすればそんなことはないと思うんです現に第二次世界大戦が終わった後実は厚生施設は植田寮だけでなく名古屋市に数か所あったようなんですねそこに例えば失業していて仕事がない家がない入りたいと言うとほぼ入れたというんです門戸は広かったところが時代の中でそういう施設がどんどん少なくなって市内では植田寮一か所だけになってしまったそういうわけで今たとえ希望しても入れない名古屋市の名誉のために言うと慌てて五十人分増員をして増築してますけど百五十では足りないわけですねまた厚生施設植田寮も五人から六人一部屋なんですねすごく住み心地がいいかというと?マークがつくまた入りたい人が殺到という中で施設も早く出てゆけという感じなんですね勿論そこから定職に就くとか住まいが出来て出て行くのはいいんですがせかされる言葉で言わなくともせかす雰囲気が伝わって来る中でまあいいわ何とかなるわと出て行くまた野宿に戻るのが多いみたいなんですね現に私が一年くらい前に相談受けてずっと入っていた人もそういう雰囲気が伝わってきて出ざるを得なくなったで今野宿してるんですがそういう問題があります

野  村
 絶対数が足りないということといわゆる人間が最低限居住出来るような環境にもないというところじゃないかと思いますこの際ですからホームレスを取り巻く名古屋あるいは日本の状況どうなっているのかというような質問でも結構ですから

C  氏
 名古屋市というより青島都知事にも失望しちゃったんですけど基本的にはあれが現実なんですね名古屋も同じことなんですね少しは冒険砦を撤去するときの状態に対して今人権週間ですが考える気持ちというか余地をもっているんでしょうか答えにくいかもしれませんが

D  氏
 多分この間ずっと名古屋で行政と折衝してきている人達がこの中にいると思うんですねそれからもう一つは山谷釜が崎についてある程度知っていらっしゃる方がいらっしゃると思うので名古屋市あるいは愛知県の行政の姿勢はホームレスに対してよそと比べて果たしてどうなのかその辺どなたかお答え下さいませんか

竹  谷
 名古屋市との関係では私たちは名古屋炊き出し連絡協議会では今まで二回名古屋市議会に対し請願書を出したんですねいずれも不採択ということで理由としては私が請願したのは一つは緊急宿泊所特に野宿している方で高齢者とか病弱な方を一時保護する施設を緊急に作って欲しいと請願しましたが結局名古屋市はやってるというんですね現行の生活保護法においてやってる今年も請願書をもう一度出そうと言うことで検討したんですが民生局から電話がありましてお前たちそんな事しても無駄だと言われたんですね頭へ来たんですが民生局と話をするんだが一方的なんですねそういう状態です

野  村
 名古屋市の施設としてはいわゆる門前払いに近い状況があるという事だと思います

松  本
 名古屋市の本音みたいなものはそういうところあるんですが少なくとも名古屋市との関わりが二十数年あるんですが名古屋市愛知県に対しても要求書を出しそういった二十数年の歴史の中で愛知県というのはどういう考えでホームレスに対しているかそれはそれなりに歴史的背景名古屋ならではの特殊な状況がある
 釜が崎は朝行っても昼行っても夜行っても本当に日雇い労働者の町ですもちろん路上でベニヤ剥がして寝ちゃっている人もいれば同時にホームレスの人が日雇い労働に従事して不安定な収入だけどそれでも一日五百円とか七百円千円とか千二百円のドヤ街があるさらにその労働者たちを住民として理解した上での商店街があるわけです作業着を売っているとか地下足袋を売っているあるいは朝早くから開いている店屋がある食堂があるそういう労働者を住民としてあるいはお客として消費者としてちゃんと理解している町がそうなっているわけです
 ところが名古屋は先ほど仰ったように朝だけなんですよそういう寄せ場に労働者が仕事を求めてやってきて冬は寒いから焚き火やっちゃうまたそこで出来上がって寝ころがっちゃったり病気で倒れていたり朝だけなんですよそれで大体七時か七時半になるともうあぶれたら今日は仕事につけないなと分かると本当に潮が引いたようにさあっと散っちゃうそしていわゆるオフィス街になっちゃう昼も夜もそこは静かになるだから朝四時半から七時半くらいまでしかない
 それで行政は愛知県はあなた達が何を言おうが私たちは他都市と同じようにやる気はありませんわかりますね理由はつまり地区としての構成・・・各区にある福祉事務所というのは民生局の出先機関福祉は名古屋市労働は愛知県こういう縦割りになっていますそれで名古屋市に行って仕事がないので生活に困ると言うといや仕事の問題はうちに来てもらっても困るどうぞ愛知県に行って下さい愛知県に行って仕事がなくて病気になって困る今すぐ何とかしてもらわないと困るというとああそれは名古屋市ですそういう縦割り行政です
 他都市では少なくともそういった問題に関して責任転嫁しませんたらい回ししないつまり総合対策としてのセンターを持っているのです東京都というと足立区台東区と東京都が出資金を出して城北福祉センターというのを出している病気であろうが失業であろうが賃金不払いであろうが運びやで正当な賃金受けて親方にどつかれた暴行事件だろうがみんな行けばぱっぱとやるわけ神奈川県横浜もそうです横浜市と神奈川県が出資して作っています釜が崎もそうですね府と大阪市が名古屋だけがそうしてないそういった意味では他の都市は良いなというわけではないのですが残念ですけど相対的には日雇い労働者を棄民化政策をしている棄民化政策の最たる例ですねあとは使い捨て自由な労働力としてしか対象化されていない当然私もそうなんですが市民は欲しくない対象として見ている私は変わっただけなんですが全体としてはやはりそうですから必ず行政が言うことは市民の理解が得られるようになってきますこれは圧倒的に例えばホームレスの問題に対してまだまだいろんな意味で努力もお金も足りない訳ですがそういう中でやはり彼らを彼らの人権の問題よりも彼らが居なくなることを望んでいる圧倒的な市民社会があるわけですこれを指して行政は市民の理解というだから今ホームレスの人の無料宿泊所じゃ作りましょうあるいは急病人の緊急宿泊所作りましょうあるいは野宿しなくても済むような施策を等々をやりましょうというと私たちの税金をそういう怠け者の為に使うなと猛烈な反発があるわけですねそういう意味で今理解を得られないからやらないというのが本音と私は見ています

野  村
 有り難うございました一番の違いは五つの都市が現実から出発してるのと名古屋市は現実を無ければいいなというところから考えているつまり保護・手当を厚くすると結局そこに居住してしまうその辺の恐れを名古屋市のいろんな話の端々に感じます

飯  田
 今ホームレスがどんな気持ちでいるかそれが一番知って欲しいんですね兄弟からも疎外され友達からも競争心理の現実初め何処で寝たらいいか分からない片隅でちょっと休んでみたりはじめて安堵して足伸ばせる公園にみんな集まっているんだ寝れるんだこんならいいや本当にその場所より無いんですだから明日の夢も全然持てない金もない仕事もない友達もない本当に信頼できる友達もない何もない中で何かただ本当に死にたくないだけ生きたいということねどう生きれるか僕ら分かんないですよいろんな人からいろんな視線を浴びます返ってくるものは何かというと冷たい眼差し差別の尊厳じゃないけど本当に悔しい思いばっかりだけどその中にも生きる尊厳僕ら生きているんだ生きて行くんだ自分は自殺はしまいとどこまでも生きるんだというよりないですねどういう気持ちか僕の立場で言うならば自分のこれからの時に良い出会い仲間の出会いそれから昼の皆さんとの出会いそれを大切にしよういかに育てていくか僕らみんな横の繋がりが本当に欲しいんです教えて欲しいんです先ほど伊藤さんでもそうだが聞きたいことが何であるか生活保護もらって自分でアパートに入って一人で生活できるかそうじゃないと思うんですねどういう保護を出来るかが俺は問題だと思うんですねこれからの現実の皆さんの事を起こせば事が起きるでね本当に名古屋市の状況なんか悔しい思いばっかりなんですね裁判になるならしたいというか違法的な今回の清掃の場合でもそのような違法だと書いてある何が違法なのか教えて欲しいんです確かに野宿しているほうは悪いんです公の地所を場所をそこで寝ること悪いんですだけどそこより無いんです生きて行かれないです本当にそれを分かって欲しいんです

野  村
 有り難うございます

竹  谷
 私の出会った中で一人の今六四歳になる女性の方彼女は二年ばかり野宿をしていまして年齢的な事もありまた女性ですからねなかなか野宿を続けられないということでもう一つは何とか就職したいということだったんですね今の状況では就職するためには住所が住居が必要なんですね野宿しててはいくら就職したい就職先探すといってもまず無理なんですねその方可成り強い意志で働きたいというのがありましたのでじゃこちらでアパートを用意しますアパートに入って就職先を見付けて頂いて仕事があれば給料貰えるようになればその中から少しづつ返して欲しいということでうまくアパートに入った途端職安に行きましたですねすぐ仕事が見付かったのね正社員になって私より給料が多くて手取り十四万くらいで今毎日通っています年齢的なこともありますでも彼女もアパートがあって就職あってそれでいいかというと彼女の生活をずっと支えていくというかいつも見ていないとパチンコが好きなんですねあっという間にこちらの知らない間に給料もなくなってしまうそういうこと含めて生活を応援して行くそういうことも必要じゃないかと思います

野  村
 有り難うございます

飯  田
 以前清掃のことについてあったお知らせと冒険砦以後お知らせに文言が増えまして「公園の一定の場所の長期間独り占めをして使うようなことは違法ですので止めて下さい」という文言が加わって公園に貼ってあるわけですそれが名古屋市の対応が少し変わって来た感じじゃないかということで違法ですというところが皆さんにも私自身も分かりませんがご存じの方があれば詳しく説明して欲しいということと横の繋がりですね確かに支援の人たちの繋がりはキリスト者の方たちの中にあると思いますが実際の労働者自身の繋がりというものが非常に薄くなってきたというか以前は少しあったように私眺めていたんですが変わってきたんじゃないかということを思います永年支援されている方はその辺どう感じていらっしゃるか違法の根拠と労働者の横の繋がりをどうみてみえるか

野  村
 有り難うございましたその辺の公園に一定の場所長時間独り占めして使うのは違法なんだということの法的根拠はどこにあるのかどなたか法律に詳しい方

松  本
 都市公園法です冒険砦以後しっかりと示してある公園法というのは条例ですから労働者は・・・刑法二五条条例の法を犯すことは出来ないこれは法の原則ですのでね二五条があっても無いに等しいのが日本の後進国といわれる所以だと思いますね自分の人権を考えるなら同時にホームレスの人の人権の成熟しないとこの事態は変わらないと思います都市公園法六条

野  村
 それからもう一つ労働者同士の横の繋がりの状況が変わってきたのではないかというご指摘なんですがその辺について

山  田
 真宗の僧侶の山田という者です私も少しお手伝いさせて頂いているのですが私もまだ事情が分からずに少しづつ学ばせていただいている現状なんですが西柳公園ですねそこに手伝いに行った後に一人の労働者が公園の片隅で亡くなられたという時なんですね花が置いてあってその場所のすぐ前に労働者の仲間と思われる方が二人くらいそこで合掌してたんですね私も気になって見てたんですねそうしたら俺達どんな目で見られてるかお前には分からんだろう俺達人間じゃないとお前ら思っているだろう長くいろいろ言われましたこうやって路上で亡くなっていくんだと他のアンコ共は全然協力しないんだと言うんですね例えばそこで亡くなって花が活けてありますねせめて現場に行って手くらい合わせりゃいいじゃないかとみんな飯を食うことばかり必死でここに並んでる連中いたけどと炊き出しのほうを指さすわけですね確かにかなり大勢の方が食事のために並んでるわけです全然近寄らないですね全然その場で私感じたことは少なくとも統一して何か日雇労働者としての意見を出してゆくとかそういうことが殆ど行われていないのではないか私は聞いただけの話なんですが笹島の労働組合員は現在三人しかいないと聞いたんですだから労働者同士の横の連帯というんですが私が体験した限りだと殆ど連帯はなされていないのではないかと思うのですが詳しい方に伺いたいんですが

野  村
 越冬の度に連帯が言われていますね実際その辺りがどうなんだろうかというご指摘だと思いますが

関  谷
 こっちは幾つかまず一点昨日月曜日木曜日炊き出しして下さって名駅と栄の二か所でやってるわけですね私笹島診療所の方はよく労働者の方からなぜ名駅でしかやってくれないの栄にも来てよと言われるんですが力量的にそこまで人数割けるような状態でないので名駅の方だけでやっています名駅の炊き出しというのは冬の間地下通路でやっているんですなので傍を仕事帰りのビジネスマンとかどんどん通って行くんですが食べるだけ食べてさっさと帰らざるを得ないんですねやはり人目に晒されて食べるのはイヤだというのもあるので名駅の炊き出しは殆ど同じ釜の飯を食うという言葉もありますが食べた人同士話をするということが出来ないんですね昨日たまたま機会があって聞いてみたんですね炊き出しした時他の人と喋るの?と聞いて見たんですがいや別に一緒に何かやってる者でないのが食べに来たからといっていきなりなんか喋らないとおっしゃってるんですね一つは同じ野宿をしている境遇にあるといっても一緒に何かをやるということはないからだから横の繋がりにちょっと無理があるのではと感じますそれは先ほどの松本さんのお話じゃないですが名古屋には日雇労働者の町というものがない常に固まって住んでるという条件がないとおっしゃいました
 またこれも聞きかじりの話なんですが日雇労働者の方がどういう所に友達仲間が出来るかということを釜が崎で聞き取り調査したそうですその答えは仕事の場所だというのですね日雇いの仕事に行った場所で仲間が出来る友達が出来る繋がりが出来ると答えたそうなんですね
 このように日雇いの仕事が慢性的に無い状況では労働の場所で仲間が出来るということがないそういうことで野宿している人がばらばらにされているという状況があると思いますまたこの路上に住んでいる人たちもばらばらの状況が深刻なんですがもう一つ深刻なポイントがあるんですね笹島診療所では病院に入院した方たちとかを訪問する活動もしているんですが実際にあまりにも入院される方が多いのでそんなに回れないんですね良いことやれてないのが原点にあるんですがところが入院すると路上にいるときにはそれでも炊き出しに行けば同じ境遇の人達がいるんだな少しは話があるところが入院するとばらばらにされてしまう僕がよく知ってた野宿していたおばあちゃんが入院したので一月に一回くらいしか会えないんですが何が一番困ると聞くと入院してても他の人と話が出来ない境遇が違うというのはないが一般入院してる人とぎすぎすして話ができないのがつらいと涙を流されたんですね結構その人は炊き出しに来てて周りの人がおばあちゃんおばあちゃんと言って仲間がいた人なんですが入院したことによって仲間との付き合いが無くされてしまったまたアパートで生活保護受けて暮らしているような人もいますそういう人たちも地域ばらばらですから付き合いなくなってしまうんですね
 よく福祉事務所の人が愚痴のように言うんですがなんでせっかくアパートに入れたのにそこから居なくなってしまう人がいるとやっぱりあの人たちは特別な人たちなんかなと言ってるんですがそれもいきなり仲間から離されていきなり一人で暮らせといっても無理がありますよねそういったわけで笹島診療所の方でも入院してる人達全部にはとても出来ないんですがある一つの病院では何とか一年に二回くらい入院してる人が一緒に行けるアパートを作ろうとしてるところです

野  村
 有り難うございました横の繋がりが薄くなってきた背景には実際に仲間が居る仕事場が失われているのだという話だったと思います

岩  木
 今の構造的な話とか皆さんがお答え下さればいいのですが六百人の人々が例えば一週間野宿労働者を一日二食でいいので二食とお風呂と布団を提供することができるかできないかこれで気持ちの問題なんですが出来れば顔を下げて目をつぶって手を上げてください出来ると思う人心の中で手を上げて下さってもいいのですが出来ないそれは不可能だと思われる方正直に有り難うございました先ほど松本さんからも市の理解とかがありましたし日本の政治家が悪いのは国民がそういう政治家を選んでいるんだからというか名古屋の行政が確かに非常に人権無視とかなにかその声が行政に反映されて六百人の人たちがこれは大変だよ役所の人がもっと頑張ってくれなきゃ困るよみたいになってくると・・・一年くらいお風呂に入ってない労働者と話をしてその方とあくまで仮説ですが食事してそれを皆さん自身に考えて頂いたらここにいる皆さんに質問したいなと

野  村
 有り難うございましたここまで質疑という形で約一時間やってきましたここでブレイクをおいて後半は今までの共通理解の上でどうしたら良いんだという話をしてみたい今の岩木さんお話のように行政にやらせるということもあるだろうしもっと他に方法があるんじゃなかろうかということも含めて少し皆さんの御意見を頂きたい発題いただいたお二方から一言今までの質疑を聞いたコメントをお願いします

橋  爪
 頭では理解ができるというのが正直な気持ちです心底申し訳ない尊厳に問題があるとは決して思っておりません

竹  谷
 今の岩木さんの提起は私も頭痛いんで先ほど私と繋がっていると言ったにもかかわらず一方の人を僕は家に迎えて暮らすかというと今のところ出来ないという私自身も矛盾を持っているだからといってそれ以上に炊き出しなんかでももっと飯を呉れとかもっと食べたいというおじさんたちもいるけれどその時僕はそれは名古屋市に言ってよ我々にでなくそうしか言えないんですよね僕らに言っても限界があるから社会全体の問題だと思うんですがでもそれ待っているとなかなか今日でも明日でも死んでいく人がいますからねそういう人一人でも生き残るように自分が出来ることは何かと皆さんと一緒に考えたいと思います

野  村
 有り難うございます(5分間休憩)

H  氏
 哀れみの気持ちでやっているならば私は傲慢だと思う

I  氏
 町の中でも片付けて綺麗な所にしてはそんなに汚れることも無いと思うし地域の方が敵意を持たないで清掃する事も地域の方が参加されると町も綺麗になるしそれで一遍行ってみて下さいそれで直接今は市ではずっと前から路上にいらっしゃる方に・・・昔の方と違って今は普通の気持ちで市民としてこういう場所がありますから聞いて助けてあげたい

J  氏
 ちょっとすみません私も炊き出しの会ではカンパもしますしそれからそちらもやっているんですけど直接やはり毎日の行き帰りに出会う方達に対して自分が炊き出しの会であるいは越冬のところへというものと違って毎日の日常の中で私は毎日ホームレスの方に出会っているわけですその方に何かこう関わりも持ちたいしよくお茶を飲むお店の前にいつも同じ服を来た方が立ってみえます行き交う人をご覧になって見えますその目を見るとやはり自分が何が出来るだろうかと考えてのさっきの発言なんですが先ほどお寺に見えた方と私は立場が逆で何か出来ないことが苦しいんです苦しいといえば言葉が綺麗過ぎますがどうやって関われるか関われないんですよだからやっぱり冷たい視線になっているんでしょうねホームレスの方から見ればやっぱり蔑んだ冷たい目の一市民にしか見えないんだろうなと思います

K  氏
 私は一度お金を下さいと言われたことはあります私は貧乏だったからお財布を見せて私もお金が必要だから百円玉か五百円玉しかなかったし欲しいと言われたら沢山持っていたら上げられれば良いと思うんですが何も知らないでそこに立つているんであればそれはそのままでいいんじゃないかと思うんですね私もそういう思いを何度もします栄で炊き出しに出ていた時に炊き出しで私は皆さんに配っていたもんですからお顔が分かるわけですねそうすると昼間私が仕事終わった後で会ってもぱっと行かれることもあるし躊躇します向こうも知らずに歩いているものだからそれはそれでいいんじゃないかと思うんですねお互いにそのままでいいんじゃないかと思うんですね罪の意識とかそういう思いはなくってもそれはそのまま流していっていいんじゃないかと思うんですね私がずっと思っていることは私は取り敢えずはクリスチャンですこのことは教会それぞれの方たちがどう考えていらっしゃるか分からないんですが教会とかいま此処に初めて参加してお寺のお坊さんがいらっしゃるということが初めて分かったんですが大きなお寺があって境内が空いていて仏間が沢山あるのに何故ちょっと泊めてあげるということができないのかなというのが私の思っていることですそれは勿論信者さんのいろんな事情があると思いますが名古屋市にいろんなことをしていかなくちゃいけないということを分かっているけれどもそういうことがあって考えてもいいんじゃないか

飯  田
 皆さん支援団体が本当に付き合ってほしいです金を与えるより金の有り難さを教えて欲しい汚いなら汚い悪いやつは悪いそれもはっきりしてほしいんですね遠慮しなくて悪い奴は悪い良い奴はいい我々も本当のこと言われると腹立つんですよ皆さんも同じだと思うんですねだけどそこに真実と僕らが良いか悪いか自分たち持ってますしそれを絶対に・・するのが差別のない本道だと思うんですね

野  村
 有り難うございます別に日雇労働者ホームレスの人が酒飲んで絡んでくる奴は誰だって厭なんで

M  氏
 私中村区の教会に住んでいる者なんですがその付近に競輪場がございましてひとりふたりお金なんとかならないかという方がいらっしゃるそういうこと専業としておられる方割と多いんですねそういうことからなるべくホームレスの問題とは切り離して考えるのがいいと思うんです夜回りやっていたことがあるんですが名古屋駅中心にやっていてその顔馴染みになった方でお金を貸した一件だけですほかは巧妙な寸借詐欺を専業とされているか他が圧倒的に多いんですねそれをホームレスと結びつけて行くのはおかしいそこは分けて考えた方が良いかも知れません

野  村
 有り難うございます

竹  谷
 つい一か月前私インドへ行ってきたんですが日本とインドと全然違うと思いますが私が行った時路上生活者が沢山いました特に日本と違ってファミリーですね乳飲み子がいたりとかじいちゃんばあちゃんがいてるそういう家族が路上で生活してる方が数え切れないほど居るその中で物乞いする人沢山居ます僕も何回か町を歩くとその度に頂戴頂戴と来る乳飲み子を抱いた若いお母さんが赤ちゃんに何かやってくれというそれがしょっちゅうなんですね僕は旅行者だったから小銭も少しあったので与えていたが向こうの人はどうするかというと切りが無いので放っていますね町中そういう方が沢山いますから少しのお金を上げても切りが無いしまた路上生活をしている人は私が泊まった修道院の門前にもいるわけですね修道院が門前に寝ている人を追い出すかというとそういうわけでもないしそこにいても当たり前というかしょうがないんだ積極的に何かするかというと教会なんかは路上生活者の子どもたちの託児所とかお母さん達にちょっとした技術を教えるとかそういったことで援助している気の毒だから与えるということではなかった日本でも同じだと思うんですねその場しのぎのことは必要なこともあるんだけれど根本的に野宿をしなくて家をもって仕事が得られるとか休める場所が出来るように応援して行くことが大事じゃないかと思います

野  村
 有り難うございますさっきの飯田さんの話で悪い奴は悪いし良い奴はいいしつまり何と言うんですかねお互い人間だというところに立てば友達でもそうですがそういう関わりを持てるか持てないかで結構付き合いの深さみたいなのが測られる部分があるんじゃないかなそういう意味で良いことは良い悪いことは悪いそういう関わりが作れないこういう問題が我々の中にもあるんじゃないかという気がしますねですから行政に働きかけていく時にどこか他人事みたいな感じがどうしても拭い去れない自分の家の中に入って来なければいいやという程度の関わりしか出来ないんじゃないか我々自身のメンタリティ気持ちの部分を含めてどないしょうかこれからこのままでいい筈はないんで多分失業者どんどん増えてくると思う恐らく行政が今ほとんど対応仕切れないその中でじゃこのままでいいのか我々自身は放って置くのかということも含めてこれからどうしようかというあたりの話を提案とかどうでしょうか

N  氏
 最初にお断りしておきます全然展望のない話をしますので僕はずっと在日外国人の問題に関わってきて今日のお話を聞いている中で随分共通しているところが沢山あるなと聞いていてやはり今後どうして行くのかという個人のレベルの問題が一つともう一つは行政とどう向き合っていくのかこの二つの側面があると思うんですね取り敢えず行政とどう向き合っていくのかということを考えた場合に「林訴訟」の行方なんですね第一審僕も何回か傍聴に行きましたけれど県庁の窓口の役人は滅茶苦茶ひどいこと言ってるそれがそのまま罷り通っていて第一審は取り敢えず勝ったけれど在日が外国人問題で多くの場合一審は勝つんだけれど二審は大抵負けちゃうそういう中で林訴訟で現行法どうなんでしょうそれから裁判そのものをどう考えていったらいいか裁判の見通しとその中で何を考えていったらいいのか僕も名古屋市といろいろ交渉する事あるんですが外国人でいいますと名古屋市の場合総合的な窓口がないんです個々の部局に行けというそれで対応してますとこれについてはこれがありますこれはここでやってますですから名古屋市の対応は充分です総合的な窓口をつくるということを要求してるんですが全然どこにもっていかない今日も総合的窓口云々が出たんですがそれについてのここの取り組みとか展望とかこれは行政との話し合いの中で総合的な窓口つくるのが重要だと僕は思っているんですね

野  村
 先ず林訴訟についてと名古屋市の総合窓口の展望ですね

O  氏
 こちらが敗訴した控訴審の判決であってさえも判決文の中に一言も林さん住所がなかったから住居がなかったから生活保護が受けれないそれはそれでいいんだとは書いてないまた失業が理由の生活保護も認められないとも書いてないだから言うならば敗訴であってもそういったラインが退いたわけではない林訴訟の控訴審の敗訴によって全ての道が閉ざされてしまったのではないというのが展望だと思うんです最高裁に上告中ですなので今後失業ということを証明するためにどのぐらい仕事が無ければ生活に困窮してるのですねということになるのか実際診療所の最近のケースでは一か月間こんをつめて探しまくって無いよということになれば植田寮で生活保護受けている人がいるんですね福祉事務所は何らかの他の理由つけてるのかも知れませんが事実失業が理由で生活保護受けているわけで 竹  谷
 私いつも請願をするとき名古屋市は紹介議員というのが必要なんですね紹介議員もなかなか選挙に響くものですからあまりホームレスのことばかりやっていると市民から批判されて選挙の時投票されなくなるそういう恐れがあるので紹介議員の方もよくやってくれるんだがなかなか引き受けてくれないので請願するにも窓口がないと民政局でもそうです話し合いをしましょうといっても今のところしてくれないですね民政局の言い分は炊き出しやってる連中は超過激派だと極左集団だと極左暴力集団だとレッテルがすっかり彼らの頭に入っちゃってるだから彼らと話すと怖いと一切拒否され続けていますそれを何とか打破したいと思うんですが今のところ手段がない

P  氏
 最近感じるんですが外国人に対する・・・そのグループで知恵を出し合いまして情報公開制度を使って行政の実態を問い糺すことを始めたんですそうしますとこれは結構ゆさぶりになりまして彼ら自分の手許にある資料を具体的に指定されると出さざるを得ないわけですねこの情報公開制度をもっと積極的に利用できるのではないか例えば冒険砦ですがあれ何百人か警官がやってきたんですがあの費用はどこから払われているのかそういう事柄に対して逐一情報を求める彼らの資料を見ながら行政の在りようについての判断をこちら側がすればいいし出さないというなら裁判できるわけですし公の話し合いの場所に引きずり出すそれも一つの方法ではないかと思います

Q  氏
 ところでどうしてお寺がオープンにせんのか結論だけ言いますと日本の仏教は九九%死んでいますこの場に何人の僧侶が来てるかそれ見れば分かると思います極簡単に言いますと名古屋教区三河除きました尾張なんですが真宗大谷派の住職の免許持った僧侶は八百人以上いるんですねそこから考えてもほとんど死んでしまっています

野  村
 同じ様なものだな質問が幾つか来ているので仕事がある時はどんな仕事をしているのですか

R  氏
 今仕事が有るか無いかは物凄くナンセンスになってるんですね機械が我々の手許から仕事をできなくしただから本当にとんでもない仕事やらされてんだ機械で出来ないと体で動いているんだということね機械が入れないようなところ必死になって這い上がってガラ出しとか機械の入れないそれからいろんな種類土木保安それから清掃からいろんな種目ありますがほとんどが就けなくなっっているだから人材のいる仕事を何とかして欲しいと思っているんですがビル造るにも今あっという間に作っちゃう我々の仕事が全然無いんです鉄筋はそういう仕事が全然無いんだ

野  村
 有り難うございましたもう一つ住所不定身元も分からないとき雇用形態とはどういうものですか

S  氏
 皆さん日雇労働者は本当に悪いと思っているんですね搾取があるから悪いんだだから人間的な側面なら一番いいんですね働く賃金貰えてやっただけの金貰ってあくせくしなくてもそれで食べていけるなら僕らの日雇いはベストな仕事だと思うんです縛り付けられることもなくちゃんとした保障があり・・あらゆるものから搾取されているからこの結果があるという事を分かって欲しいんです

野  村
 もう一つ公園・路上などで野宿しなくても済むような名古屋市にするにはどうすればいいと思いますか

松  本
 どういう場でもそうだと思うんですが議論の展開の仕方が対立軸を中心に動いて行くこれが不幸なんですねホームレスの問題もそうなのねあんな怠け者のためになんで私が税金払わないかん自分が好きでやってんだからええがホームレスに無理解な人はみんなそう思ってるという意味じゃない僕は対立軸を中心に展開させるんじゃなくて共通軸を求めていくそれが司会者が言ったように全体で分かち合えるようなテーマこれに立つべきだ例えばホームレスの当該者自身彼らが野宿しているのは多くは公の所・路上であるとかビルの谷間・公園要するに主管は行政あるいは橋の下だったら建設省橋爪さんがおっしゃっているように地域住民ホームレスの周辺は私たち含めて圧倒的に地域住民ですそれからその問題に関わっているボランティアの人々大きく分けてこの四者だとするとこの四者が対立軸を中心になんぼ話してもこれは展望ないと思うんですよそうじゃなくてこの四者が共通して立てるテーマこれを僕は先ほど言ったように共通のテーブルにつけるテーマではないかそういった合意を形成していく中で展望が開けるように思うんです
 先ほど質問のあった総合対策について触れたいと思いますが東京神奈川大阪でその対策やってるというのはそこの地域住民労働者の闘いとか行政の人達が努力してやったんじゃないですねそういう闘いを確かにやりましたけど何がきっかけになってああいう総合対策になったかというと放置していた結果暴動になったそして総合対策やらなければ駄目だという風になった暴動という形で展望が開けるできれば一番目に言った共通項の中で理解していく中でやっていくのが望ましい

野  村
 共通項の理解を得るのが難しい場合は暴動を起こす歴史の必然ですね(笑い)ということではないみたいですが

松  本
 暴動を通してしか得ることが出来なかったという今までの歴史があるだが現実はそうではなくて地域の人達自治体の人たちみんなでそういうことを考えていく土俵がいるということではないかと思うそれをどう作っていくかが課題として残された

T  氏
 松本さんの話を聞いて思ったんですが地域住民は知らないですね気持ちだとかホームレスになってしまっている実態を知らない人ばかりだと言ってもいいくらいだと思うやはり語り合う場怠けてこういう状態にあるんじゃないということが分かったらそこから地域住民がそれでも排斥にはならないと思う知らなさ過ぎる状態だと思うんです学校の教員なんですけれども教員は差別の実態を知りません私は今回の人権週間の講師さんに学校の中でやるんじゃなくて外からお呼びしてとにかく実態を知ろうじゃないかということで今回は子どもの虐待ということで虐待について外部の講師を呼んで知ることから始めようという取り組みをしているんですがホームレス問題もやはり知ることが先決だから地域住民との対話の場を設けるべきではないかと思うんですがそういう話の出来る町内会はないんでしょうかホームレスの人をいっぱい持つている公園の学校なり町内会に働きかけることは是非すべきだと思います

竹  谷
 実は今回のシンポジウムを企画した時に地域の住民を入れてしようという案があって大須の商店街に行って会長さんに話をしてこようという段取りだったんですが私が怠けましてやらなかったんですでも懸案として地域懇談会のようなものをやっていこうと言うことは考えているところです

U  氏
 私一昨年紹介して頂いて十名ばかり蟹江町の者ですが無責任にも十名ばかりに来て頂いたんです実際一緒にお説教聞いてもらったり話し合いしたんですそれまでは好きでホームレスしてる拘束されるのがイヤだから自由がいいんだからと考えていたのがそれなりに新聞読んだり冒険砦とか深く見て頂く機会ができたと思って居ますほんの数%でしかありませんがそういう努力が地域で必要だなと思いますそれと先ほどの九九%私が一%とは思って居ませんがこれも飯田さんに頼まれて三四年前公園で亡くなった方の供養としてのお経を上げさせて頂いたんですがその時はある程度ホームレスの仲間も集まって頂いてお経上げたりして仏教的な形で供養したことが二三度あるんですがそういう仲間意識がどうして生まれてこないのかもう少し知りたいということで皆さんとお付き合いしてるんですがなかなか見えて来ないですから地域と仲間同士の問題にもう少し踏み込んでいきたい

野  村
 教会もお寺も九九%の可能性があると受け止めていかないとすみません司会が不行き届きで時間が四時には出なくちゃいけないただし最後に一つ展望が出されたと思います地域の人と話しをしていく場をこれからも作っていこうじゃないかこれは私たち今まである意味では欠けていた面だと思いますこれを是非やっていきたいと思いますし皆さんのご協力も得たいと思いますので橋爪さんこういう場で本音を言うのは結構勇気の要ることだと思うんですよ敢えてそれを受けて頂いたことを特に感謝したい

関  谷
 診療所がさっきの市民の方に知ってもらう機会という形で年末年始に越冬活動があるんですがオリエンテーションセミナーということで指さし真講座6回目になりますがこれ回して下さい十二月十四日の午後ノリタケコミュニティセンターでよろしかったら是非いらっしゃって下さい笹島診療所が入っている笹島労働会館で出しているものです

総合司会
 皆さん今日は長い間有り難うございました十二月の土曜日という忙しい時間にこれだけ皆さん集まって熱心に話し合って下さり本当に有り難いと思います今度の冬で二十三回の越冬活動になります皆さんの心をカンパという形で表して頂ければ有り難いと思います第二回があったらいいなと思いますが皆さん如何ですかでは二回目も準備していきたいと思います本日は長いこと有り難うございました


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