おじさんたちの農作業


 福信館炊出しが、野宿生活者たちと農作業を始めたのは91年の春からでした。岐阜県坂祝の日本基督教団中農教会が快く引き受けてくれ、その年は里芋を植え収穫しました。たまにでしたが、都会の喧噪を離れ、農村の美しい景色と美しい空気、爽やかな風に、心地よい汗をかく農作業、そして、夕食の歓談は普段の殺伐とした野宿生活をひとときでも忘れらる機会となったのでした。
 1993年には、愛知県春日井市高蔵寺の畑を借りられるようになりました。それは同じく日本基督教団の信徒の方から申し出があったからであります。それ以来、毎週金曜日には高蔵寺、月一回は、岐阜、と決めて農作業をするようになりました。今では、無農薬無科学肥料の野菜が年間通じて、炊出しの材料となりました。彼らは、毎週喜んで出掛けています。

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