ももちゃんの一分間説教

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今週の一句
車降り 蝉の亡骸 転がりぬ

―もとゐ―


 2005年9月4日(日)
 年間第23主日

 マタイによる福音書18章15-20節

18,15 〔そのとき、イエスは弟子たちに言われた。〕「兄弟があなたに対して罪を犯したなら、行って二人だけのところで忠告しなさい。言うことを聞き入れたら、兄弟を得たことになる。
18,16 聞き入れなければ、ほかに一人か二人、一緒に連れて行きなさい。すべてのことが、二人または三人の証人の口によって確定されるようになるためである。
18,17 それでも聞き入れなければ、教会に申し出なさい。教会の言うことも聞き入れないなら、その人を異邦人か徴税人と同様に見なしなさい。
18,18 はっきり言っておく。あなたがたが地上でつなぐことは、天上でもつながれ、あなたがたが地上で解くことは、天上でも解かれる。
18,19 また、はっきり言っておくが、どんな願い事であれ、あなたがたのうち二人が地上で心を一つにして求めるなら、わたしの天の父はそれをかなえてくださる。
18,20 二人または三人がわたしの名によって集まるところには、わたしもその中にいるのである。」

 イエスは小さくさせられた人々を見守る。

 子どもを受け容れよう、小さい者をつまずかせぬよう、捜しに行こうとイエスは私たちに呼びかけられる。実は、私たち自身、イエスからそのように遇された。私たちのような者をさえイエスは受け容れてくださった。何故だろう。それは私たちが隣人を発見するたなのだ。自らを罪人であると知ったとき、隣人のゆるしに気付くのではないか。共に、歩ませてもらっていると。

 イエスとの出会いは、私たちを隣人と共に歩ませる。
 
今週の一句
台風や 爪痕残し 青い空

―もとゐ―


 2005年9月11日(日)
 年間第24主日

 マタイによる福音書18章21-35節

18,21 そのとき、ペトロがイエスのところに来て言った。「主よ、兄弟がわたしに対して罪を犯したなら、何回赦すべきでしょうか。七回までですか。」
18,22 イエスは言われた。「あなたに言っておく。七回どころか七の七十倍までも赦しなさい。
18,23 そこで、天の国は次のようにたとえられる。ある王が、家来たちに貸した金の決済をしようとした。
18,24 決済し始めたところ、一万タラントン借金している家来が、王の前に連れて来られた。
18,25 しかし、返済できなかったので、主君はこの家来に、自分も妻も子も、また持ち物も全部売って返済するように命じた
18,26 家来はひれ伏し、『どうか待ってください。きっと全部お返しします』としきりに願った。
18,27 その家来の主君は憐れに思って、彼を赦し、その借金を帳消しにしてやった。
18,28 ところが、この家来は外に出て、自分に百デナリオンの借金をしている仲間に出会うと、捕まえて首を絞め、『借金を返せ』と言った。
18,29 仲間はひれ伏して、『どうか待ってくれ。返すから』としきりに頼んだ。
18,30 しかし、承知せず、その仲間を引っぱって行き、借金を返すまでと牢に入れた。
18,31 仲間たちは、事の次第を見て非常に心を痛め、主君の前に出て事件を残らず告げた。
18,32 そこで、主君はその家来を呼びつけて言った。『不届きな家来だ。お前が頼んだから、借金を全部帳消しにしてやったのだ。
18,33 わたしがお前を憐れんでやったように、お前も自分の仲間を憐れんでやるべきではなかったか。』
18,34 そして、主君は怒って、借金をすっかり返済するまでと、家来を牢役人に引き渡した。
18,35 あなたがたの一人一人が、心から兄弟を赦さないなら、わたしの天の父もあなたがたに同じようになさるであろう。」

 イエスはどこまでも私たちと関わろうとする。

 私たちは一体神様にどれだけの借金をしているだろうか。神様を言換えて地球だとか、親、兄弟、友人、知人、社会に対してはどうだろうか。

 今回のカテリーナや台風14号の災害、イラク戦争、飢餓、エイズ、等は人災だし、親には迷惑かけっぱなしだ、また、友人・知人を裏切ることはしばしばある、周りの人々には罵詈雑言で傷つけたし、ときりがない。しかし、それでも、地球もエイズ患者も賠償しろとは言わない。無論、賠償できるわけでもない。なんと、私たちはゆるされて生きていることだろう。この自分の罪深さ、無責任を知ったとき、どうして、他者を責めることができるだろうか。

 ところが、すぐその大恩を忘れ、他者を非難、攻撃しているのが常だ。それにもかかわらず、そんな私たちと関わろうとしているのがイエスであり、神なのだ。

 イエスの後をついて行こう、何度、しくじってもイエスは待っていてくれるから。
今週の一句
種蒔きを 終えた夕餉に 月添えて

―もとゐ―


 2005年9月18日(日)
 年間第25主日

 マタイによる福音書20章1-16節

20,1 〔そのとき、イエスは弟子たちにこのたとえを語られた。〕「天の国は次のようにたとえられる。ある家の主人が、ぶどう園で働く労働者を雇うために、夜明けに出かけて行った。
20,2 主人は、一日につき一デナリオンの約束で、労働者をぶどう園に送った。
20,3 また、九時ごろ行ってみると、何もしないで広場に立っている人々がいたので、
20,4 『あなたたちもぶどう園に行きなさい。ふさわしい賃金を払ってやろう』と言った。
20,5 それで、その人たちは出かけて行った。主人は、十二時ごろと三時ごろにまた出て行き、同じようにした。
20,6 五時ごろにも行ってみると、ほかの人々が立っていたので、『なぜ、何もしないで一日中ここに立っているのか』と尋ねると、
20,7 彼らは、『だれも雇ってくれないのです』と言った。主人は彼らに、『あなたたちもぶどう園に行きなさい』と言った。
20,8 夕方になって、ぶどう園の主人は監督に、『労働者たちを呼んで、最後に来た者から始めて、最初に来た者まで順に賃金を払ってやりなさい』と言った。
20,9 そこで、五時ごろに雇われた人たちが来て、一デナリオンずつ受け取った。
20,10 最初に雇われた人たちが来て、もっと多くもらえるだろうと思っていた。しかし、彼らも一デナリオンずつであった。
20,11 それで、受け取ると、主人に不平を言った。
20,12 『最後に来たこの連中は、一時間しか働きませんでした。まる一日、暑い中を辛抱して働いたわたしたちと、この連中とを同じ扱いにするとは。』
20,13 主人はその一人に答えた。『友よ、あなたに不当なことはしていない。あなたはわたしと一デナリオンの約束をしたではないか。
20,14 自分の分を受け取って帰りなさい。わたしはこの最後の者にも、あなたと同じように支払ってやりたいのだ。
20,15 自分のものを自分のしたいようにしては、いけないか。それとも、わたしの気前のよさをねたむのか。』
20,16 このように、後にいる者が先になり、先にいる者が後になる。」

 神はイエスをとおして私たちを限りなく愛される。

 運動会の季節だ。いやな思い出がある。わたしはかけっこが嫌いだった。というのは、いつも後塵を走っていたからだ。どうあがいても、よくて4番、たいていは5,6番で、入賞は出来なかった。足の遅いことにそんなに気にしなければ良かったのに、子ども心に恥ずかしかったし、くやしかった。まあ、人は何か一つでも人より優れたものが欲しいいし、ほめられたい。4番より3番、できれば1番を欲しい。

 しかし、今、思えば、私より足の遅かった人がいた。その人たちはどう思っていたのだろうか。私と同じ思いか、もっと寂しい思いだったかもしれない。私はその人たちのことを全く考えなかった。自分の悔しさだけで一杯だった。

 公園のベンチに座っているホームレスの方のことを気にかけれる人になりたい。
今週の一句
大根の 双葉出にけり 寝待ち月

―もとゐ―


 2005年9月25日(日)
 年間第26主日

 マタイによる福音書21章28-32節

21,28 〔そのとき、イエスは祭司長や民の長老たちに言われた。〕「ところで、あなたたちはどう思うか。ある人に息子が二人いたが、彼は兄のところへ行き、『子よ、今日、ぶどう園へ行って働きなさい』と言った。
21,29 兄は『いやです』と答えたが、後で考え直して出かけた。
21,30 弟のところへも行って、同じことを言うと、弟は『お父さん、承知しました』と答えたが、出かけなかった。
21,31 この二人のうち、どちらが父親の望みどおりにしたか。」彼らが「兄の方です」と言うと、イエスは言われた。「はっきり言っておく。徴税人や娼婦たちの方が、あなたたちより先に神の国に入るだろう。
21,32 なぜなら、ヨハネが来て義の道を示したのに、あなたたちは彼を信ぜず、徴税人や娼婦たちは信じたからだ。あなたたちはそれを見ても、後で考え直して彼を信じようとしなかった。」

 神は呼びかけ続けられる。

 いいかっこしいは易きだが、疲れる。どうせ、すぐ本性がばれるのに、かっこつけるのが私たちだ。人の評判を気にして、ついにはにっちもさっちもいかなくなる。

 イエスは神との関係を、神に気に入られることから、神が気に入っていることに向きを変えられた。神の裁く目を気にして、いいかっこを無理にするのではなく、神の優しい眼差しの前で、ありのままに、出来ないことはできない、やれることはやれるぐらいでいい、と。更に、任せていれば、すすんで、いやなこと出来ないことも出来るようにする、とイエスはご自身、証しされた。

 神はありのままの私たちに声をかけられる。安んじて、生きよう。


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