ダルクの仲間達


ター

 
自分が初めて覚せい剤を使ったのが、今から13年前です。1回目に捕まった時、泣きながらお袋に言われ ました。お前覚せい剤をやっているだろ、新聞で見たって…。この時は親に対して、本当に悪い事をやって しまったと思いました。しかし止められず、2回目捕まり、刑務所に入ることになりました。そしてダルク につながり、プログラムを受け、自分の生き方に問題があることを学びました。同時に仲間と一緒に生活を していて、今現在6ヶ月間、覚せい剤を使っていない生活を送っています。まだまだ6か月ですが、ダルク に来て覚せい剤を使わなくても、仲間と一緒に楽しく過ごしていけることも学ばされました。こんなことが あります。春には花見、夏には海水浴、毎月1度のカラオケ大会。その他にも仲間と一緒に出かけました。 もちろん素面です。素面でこんなに楽しく過ごせるなんて、と思いました。社会の場にいた時なんて、こん なに楽しく過ごせた記憶がありません。楽しい生活ばかりじゃありませんが、僕自身プログラムのミーティ ングでは人前で話しをすることがあり、ものすごく苦手で緊張してしまいます。自分と向き合って日々生活 しています。
パン

 僕は一ヶ月前にダルクに繋がったばかりの新人です。何もまだ分かっていませんが、今日までの驚いたことや感 じたことなど、僕の所感をお伝えしたいと思います。1)仲間たちは、私が高齢なのにも関わらず特別扱いしないで 気さくに打ち解けてくれます。それは、足の悪い仲間にも同様です。そして、ここにいるととても落ち着きます。 2)依存者が依存者の更生を手伝うとは聞いていましたが、デイケアセンターの所長も、職員も、同じ部屋で生活し ていることに驚きました。また、所長も含め、お互いのことを「バン」などと呼び捨てで呼び合っています。3) とても自主的な施設だと感じました。プログラムでランニングする時も、走りたくなければ座っていても構いませ ん。4)施設の職員は言動に少しも嘘がなく、依存者の更生だけを目的として、すべて真摯に、そして善意に基づき 行動しています。例えば、年間1500通もの手紙、1通1通に直筆で返事を書いています。5)プログラムについて も、各々の考えをもとに何かを感じ取れば良いのであって、何の為に、どのような目的で行っているのかの説明は ありません。6)自分の感情に正直であれ、それを仲間に伝えなさい。そして、相手の感情も適切に受け取りなさい。 行動も同様です。それが理想であると教えています。 ダルクでは意見の衝突はありますが、仲間同士が喧嘩になることはほとんどありません。喧嘩になってもそれも 勉強です。いじめもありません。私が最初に感じた5つのことは6番目に書いたことに由来すると思います。 僕は、日々仲間たちが頑張っている姿を見て、だんだん僕自身も依存から回復できる確信が湧いてきました。また、 社会に迷惑をかけるということは、仲間に迷惑をかけることと同様の意味であることなど、今までとは異なる捉え 方ができるようになってきました。この更生施設は、直接指導するのではなく、仲間の内省する言動や行動から自 分で何かを感じ取っていく、そんな不思議だけれど、何かを実感できる場所だと、私は感じています。
 

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