「命のリレー」

デイケアセンター長 倉地 光一


 春とはいっても朝夕はまだまだ冷え込みみますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?

 名古屋ダルクの仲間たちは、今日も元気に名城公園を走っております。早いもので私が名古屋ダルクで働き出し3年が経ちました。本当に様々なことがありましたが、その度にたくさんの方に支えられながら前進することができました。

 僕の好きな言葉に『命のリレー』という言葉があります。依存症でどうにもならない生き方をしていた私をダルクが助けてくれました。ダルクとの出会いがなければ、刑務所の常連か、精神病院の住人か、死が待っていたと思います。言い換えればダルクは命の恩人です。自分がしてもらったことを次に返していくことが「命のリレー」だと理解しています。自分がしてもらって来たことを返すためにこの3年間取り組んできました。仲間のサポートをする中で思い通りにならないことも沢山ありましたが、自分はどうやってサポートしてもらってきたか考えさせられました。その度にしてもらった事の大きさを痛感し、自分を支えてもらえたことに感謝の気持ちで一杯でした。

 その感謝の気持ちを行動で表していくのは大変なことでしたが、平安の祈りにあるように「変えられないものを受け入れる落ち着きを、変えられるものは変えていく勇気を、そして二つのものを見分ける賢さを」を実践する機会でした。

 3年という月日が流れ、行動が実を結び出しています。土に蒔いた種に愛情という水を、時には厳しく、時には優しく注ぎ続け、芽が出て、花が咲き、大きな樹木になりました。沢山の仲間たちが名古屋ダルクという庭で育っています。そして二人の仲間が新しくスタッフとして私を支えてくれています。さらに大きな「命のリレー」を続けていくことができます。今一人の仲間が巣立とうとしています。一人暮らしが始まり、新しい仕事にも付き冒険の始まりです。その姿をそばで見れる事は何よりの贈り物です。

 もっと沢山の依存症者が回復していく姿を見続けたい、そのためにも「命のリレー」を続けていくことが自分の使命と思って日々過ごしています。『命のリレー』を継続していくためには皆様の支援も必要不可欠です。

 これからも名古屋ダルクの活動を支えて下さりますようお願い申し上げます。
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