「気づきと学び」

マサト


 こんにちは。薬物依存症のまさとです。私が名古屋ダルクに来て早2年半が経ちました。正直こんなにも長い間ここに居るつもりではありませんでした。繋がった当時は本当に辛かったです。何で自分がダルクに行かないといけないのか分からなかったし、家族に見放されてしまったから、これからは1人で生きていかないといけないという思いで押し潰されそうでした。自分の問題が何も見えてなかったです。

 ダルクでの生活が始まり毎日大変で、こんな事がずっと続くと思うと耐えられなかったです。そこで自分がする事はお酒を飲むことでした。仲間にバレない様にこっそりと飲んで気持ちを紛らわしていましたが、苦しい気持ちはあまり変わりませんでした。変わらないと分かっていても依存行為は止まらず1年間ぐらいプログラムを真剣に受けずにいました。

 そこで待っていたのはどん底でした。仲間と覚せい剤を使ってしまい幻聴と妄想でパニック状態になりさらにおかしくなってしまいました。あの時死んでいないのが不思議なぐらいです。バレなければ何をしてもいいと言う自分の欠点がモロに出て仲間を巻き込んでしまい大変な事になりました。仲間はこんな自分でも許してくれ受け入れてくれました。

 ここから自分の回復が始まった様な感じがします。今まで自分の思っている事や悩んでいる事を人に話す事が出来ずにいつも我慢し、感情に蓋をして生きてきました。もう限界でした。過去の囚われ、不安、恐れを感じている事をミーティングなどで話していく中で少しずつ整理でき、自分の弱さも認めていくのも大切な事だと学びました。すると、今まで苦しかったのが少し楽になった様な気がします。薬を使う事で自分の感情から逃げてばかりいましたがそんな事をしても何も解決しない。そればかりか問題がどんどん大きくなってしまうと分かりました。先行く仲間に言われた言葉が今も胸に残っています。

 「薬を使うのは結果。使うまでの自分を見ていかないとダメだよ。」その通りだなと今は思います。日々色んな思い、感情が出ますが蓋をしないでいく練習をしています。これが難しいのです・・・。ずっとこの生き方をしてきたので簡単ではないですが頑張っていきます。

 現在、ダルクのスタッフとして働く事になりドキドキの毎日ですが仲間のおかげで気づきと学び、あと薬が止まっています。本当に感謝です。新しい事をするのは恐いけど逃げずにチャレンジして自分を好きになっていきたいです。ダルクに来て良かったと今は思います。これからはたくさんの人を傷付けてきたので埋め合わせをしてしっかりと自分と向き合っていきます。これからもよろしくお願いします。

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