「物事の捉え方」


名古屋ダルク理事長 柴 真也


  雪が舞う中、そろそろ皆様に届ける機関誌の原稿に取り掛からなくてはと、考えていました。インフルエンザが大流行中のようですね、私も病院に行ったんですが、インフルエンザではなく咽頭炎でした。当施設はまだ大丈夫です。皆様も気を付けてくださいね。

 さて、名古屋ダルクはお陰様で平成元年より現在まで活動を続けて来られました。昨年、創始者の外山さんが召されて、残された私たちはそれぞれの想いを胸に仲間たちの支援に取り組んでまいりました。これほど一年が早く感じたことはありません。

 人生は自分に都合が悪いことが起きると不幸だと考えてしまいがちですが、起こる出来事に意味を付けるのは自分自身です。だから悲しむ時間を取り払い、前代表に気を遣いながら行っていた仕事のスタイルも変え、自分の魂と会話して何がしたいかを尋ね、色んな事に挑戦し続けてみました。心理学系や改めてアディクションの勉強をして、色んな人に会い、休みにはシンガーとして練習していたりと、昨年の自分と比べて成長していることがわかります。

 生前、外山さんは「お前に名古屋ダルクを任せたんだから好きに活動しろ」と言ってくれていました。(そのくせ、心配してよく口を出してきましたが。笑) はい、くよくよと振り返らずに理想を目指し活動していきます。自然の中で起きる出来事自体に意味はないのです。意味を付けるのは人間だけなのです。だから自身のフィルターを良くしていけばいい。そのフィルターは経験や出会いで変わります。

 私は昔、アディクトは変わらないし、回復しないと思っていました。その数年後には、変わることが出来るとわかりました。今では一部のアディクトは社会復帰や一般的な回復という枠を超えて、限界なく成長できることを知りました。私が生きている間に、自分位の回復者をあと100人くらい作りたい。そのサポートが出来たらよいなと思っています。そして誰かに老後の面倒を少し見てもらえないかなと。(笑)

 楽しくないことや面倒なことは、成長と学びの機会でチャンスです。これから名古屋ダルクと共通の志を持った仲間と共にいろんなことに挑戦していきます。皆が幸せになれるような活動をしていきたいと思っています。そして、新しいことを始める年にしていきます。これからも名古屋ダルクを応援してください。


「繋がって良かった」

 名古屋ダルク職員 村瀬 光幸

 
 名古屋ダルクに繋がり3月24日で6年を迎えます。当初、ダルクに繋がった時は本当に薬物が止まるのかと疑ってました。皆が薬物依存者なのに薬は止まってないと思ってました。自分の悪いクセで人を疑うクセがなかなか抜けない自分でした。最初の1か月くらいは施設の流れが分からずにプログラムを受けていました。朝はミーティングで始まり、昼からは運動プログラムで、夜はNAのミーティングで、最後は筋トレで終わり、毎日のように繰り返しでした。筋トレでは、軽いのから始まり、やがては重いものまで上がりました。僕には頭を使うより体を鍛えたほうが、凄く自分に良いです。シラフで生きているといろんなことが出来るようになってきました。まだまだ回復には先が長いし時間はかかります。


 


「コミュニケーション」

名古屋ダルク職員 倉地 光一
 厳しい冬の寒さを乗り越えて名城公園の桜の花が咲き誇るのを楽しみにしながら今日も名城公園を走っています。

 名古屋ダルクの職員になり早くも一年が過ぎました。目まぐるしい速さで1年が過ぎましたが、職員になってからの1年目はたくさんの自分の問題に気づかされ自分の問題解決に取り組んできました。少しは自分の問題を解決でき、少しずつ周りのことも見えるようになってきました。

 昨年から役所の方や病院関係者の方に今の名古屋ダルクの取り組みを知ってもらうための広報活動を新しく始めました。ですが与えられた仕事をただこなしているだけで、せっかくの活動があまり意味のないものになっていたことに気づきました。どうしたらより効果的に広報活動ができるのか職員全員で話し合いコミュニケーションをとる時間を持つようにしました。自分一人の力では限界があったのですが、他の職員の力を借りることでうまくいくことも増えてきました。

 振り返ってみると仕事のことで問題が起きる時は職員同士のコミュニケーションが取れていない時が多いです。僕はいつもコミュニケーションがうまく取れない問題や自分の力に頼りすぎてしまう問題で自分の幅を狭めてしまっていることを思い知らされ、改めてコミュニケーションをとることの大切さに気づかされました。最近は仲間が増えたり減ったりを繰り返してとても忙しい毎日を送っていますがこれからも仲間たちの回復のためベストを尽くしていきますのでよろしくお願いします。




「仲間の姿、自分の姿」


名古屋ダルク職員研修中 藤本 義広
 名古屋ダルクに繋がり3年と6か月が経ちました。来月の4月1日でクリーンタイムが2年になります。現在は職員の手伝いをしながら仲間達と共にプログラムに取り組んでいます。

 職員の手伝いをしているとダルクの仕事の大変さが身に染みてわかります。2年前までの僕はダルクに入寮していながらも何度もリラプス(再発)を繰り返し問題を起こす度に職員に迷惑を掛けていました。仲間の職員はそんな僕を何度も繰り返しサポートしてくれました。

 当時の僕は自分の事ばかり考えていて仲間からの思いやりに気付けませんでした。反省はしていても、余計なお世話ぐらいに思っていた所もあり、とても高慢でした。身近な仲間がリラプスし、リハビリを途中で止めたり、何も言わず施設を飛び出し突然居なくなったり、薬物を使った作用で別人になっている仲間の姿を身近で見る度に当時の自分を見ているようで恥ずかしいような、腹が立つような、複雑な心境です。仲間の姿を見て改めて薬物の恐ろしさを認識させてもらえます。

 サポートをする側に立つと、当時の僕をサポートしてくれた仲間の心境が理解できるようになり今は感謝しています。とても大変で逃げ出したくなる事もたくさんあるけど仲間が元気になっていく姿を早く見たいです。





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