「目覚める」

名古屋ダルク後援会代表 竹谷 基


 クリスマスが近づきました。夜の街を彩るイルミネーションがその近いことを教え、一層心うきうきさせます。ハロウィン、クリスマス、正月、恵方巻、バレンタイン、等々何でも商機にする日本は宗教混交の全く節操がないように思われますが逞しさには脱帽します。

 キリスト教では商戦の華美なクリスマスに巻き込まれないようクリスマスを静かに「待つ」時期を25日までの前に40日間設けています。カトリックではそれを「待降節(アドヴェント)」と呼びます。その待降節の間、教会では「目覚めなさい」とキリストの呼びかけの聖書箇所が読まれます。と言うのは、キリストの誕生は「神がそのひとり子を与えたほど人を愛した。その子キリストは人が生き生きと喜びに満ちた人生を送るため、その模範を示された方」の誕生と意味づけています。さて、世界には「キリスト」(=救い主)と呼ばれる人はごまんといます。例えば、ヒットラーは第一世界大戦後のドイツでは失業者、経済不況の不満から解放してくれる「キリスト」だったのです。ですから、本物の「キリスト」を見分けなければなりません。

 今日、人は「いつでも、活き活きと明るく力強く喜びにあふれてピチピチと生き」※@でいるでしょうか。経済利益を至上価値としたグローバル世界で格差が拡がり、多くの人が貧困、失業など困難な生を抱えています。疲労し、空しく、不安に、不平不満に生きているのではないでしょうか。不満の吐口がより弱い人たちに虐めとして向かって、人々を分断、対立化しています。それを煽って支持を得て、まんまと富裕者層の利益を更に拡大しようとするのが次期米国大統領、「キリスト」ではないでしょうか。安倍政権は自衛隊海外派兵、TPP、等で、その米国の属国になろうと主権を売り渡していないでしょうか。

 他方、人を「活き活きとし明るく喜びに満ちた生」に導く気キリストは米国大統領や日本国首相のように億万長者や権力者ではありません。ののしられ、嘲られ、唾棄された十字架刑死の政治犯罪者でした。(クリスマスの馬小屋はその象徴です。)彼はパンを分け、上着を掛け、病を包み、声をかけられた、政治宗教指導者に非暴力無抵抗で誤りを質したのでした。キリストに出会った人たちは貧困、飢え、被差別、暴力から立ち上がり、「活き活きと喜びに満ちた」人生へと歩み出したのでした。

 キリストの誕生を「目覚めて」待ちなさいとは自分の人生をどのようにして行くのか。そのためには何を価値として選ぶのか、今の時代の流れから「見分ける」ことではないでしょうか。

 みなさん、ダルク・「薬中」を知り、支援して行くことは、自分の人生をどのようにして行くかに繋がります。

 2016年一年間、支えてくださいました皆様に心から感謝申し上げます。来るべき2017年も変わらないご理解とご協力を給わりますようお願い申し上げます。
よいクリスマスと新年を迎えられますようお祈りいたします。


特別寄付振込口座
三菱東京UFJ銀行 黒川支店 普通 3684099
特定非営利活動法人 名古屋ダルク 理事 柴 真也


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