「回復の旅路はとても長いのです」


名古屋ダルク代表 柴 真也


 今年は例年より気温が高いですよね、これでは亜熱帯気候。地球温暖化もいよいよ深刻なのでしょうか?皆様、ご無沙汰しています。初めての方ははじめまして、名古屋DARCの柴です。

 さて、今回は依存症からの回復について少しお話ししたいと思います。まず依存症とは、読んで字の如く依存の病です。病的な依存とも言えます。薬物依存症に関していいますと、合法、非合法を問わず薬物の乱用が止められず、コントロール喪失することでもあります。自身では止められない状態ですから、他人が止めさすことはまず無理です。では、どうやって回復を目指すのか?ダルクでは薬物を止めたい仲間が集まり、共に今日1日薬物を使わないことをします。ひとりでは継続して止められないので、みんなで止めます。

 1ヶ月、3ヶ月…1年と。普通は1年までにアルバイト等を始めます。これで終わりじゃありません、依存症からの回復でよくあるのは、再使用。ダルクで再使用したらリハビリは1からやり直しです。ですからダルクの利用期間は個人差があります。そうならないように薬物を止めている仲間と毎日会うミーティングを大切にします。さて、再発も防げて、アルバイトを始めて、一般の方も本人でさえもこの辺で回復に成功したと思ってしまいます。しかし、気を抜いてはいけませんここでようやく新しい人生のスタートライン。ミーティングの継続し、相談相手を決め、過去を点検し、自身の欠点を見つめ、清算や埋め合わせをしていきます。私自身、今19年と8ヶ月薬物やアルコールは止まってますが、ミーティングに参加したり、埋め合わせしたりしながら、まだ回復旅路の途中です。止めてる事は必須ですが、ゆっくり成長していく必要があります。僕も年を重ねたせいか、身近な人の病など増えてきました。感じやすい私は憂鬱なりがちですが、自身のケアをしていかないといけないと思います。薬物が止まったら継続できるよう同じ志の仲間と離れないことが必要です。そしてシラフで人生をエンジョイすることも。私は長年、人のことばかりお世話し、自分がエンジョイすることが後回しだったのを反省して、今は素敵なシンガー目指しています。小さなハコで歌ったりしてます。最後に回復に欠かせないこと「仲間の手助け」よくダルクのメンバーに新しい仲間の回復の手助けをしなさいといいます。苦しんでいる仲間にサービスや手助けをするとどうなるか?自身が止め続け、回復や成長することができるのです。いかがでしたか?今回は回復についてお話させてもらいました。

 話は変わりますが、先日薬物事犯再犯防止教育をさせていただいている、名古屋拘置所の方から感謝状を頂きました。微力ながら名古屋DARCが社会に役立つことを嬉しく思います。皆さんのおかげです、ありがとうございます。

 告知です、10月16日 東京日比谷公会堂にてダルク30周年記念イベントがあります。興味ある方は名古屋DARCまでお問い合わせ下さいね。


「シラフで生きる」


名古屋ダルク職員 村瀬 光幸

 名古屋ダルクに繋がって4年を過ぎて振り返ってみると、身体も心もボロボロの状態で生きているだけで辛い状態で、自分の中では死んでいました。クリーンを1年、2年と迎えるうちに、生きる喜びを仲間から教えてもらいました。自分にとってシラフで生きることは、辛いことと思っていました。先行くメンバーに聞いたり、ミーティングに参加したりしながら、過去の自分のしてきたことが、どれ程ひどいことをしながら、家族や兄弟や恋人に与えたダメージのほうが強かった。自分は覚醒剤を15年間使い続けて、最後は逮捕をされて行き場も失って名古屋ダルクに繋がることができました。今はダルクで職員をしながら、クリーンを続けています。僕にとってダルクの仲間とNAの仲間が一番大事です。


「最近想ったこと」

名古屋ダルク職員 ポン吉こと 鈴木 正勝

 夏の暑い季節の真只中、ほぼ毎日訪れる名古屋城に隣接する公園には緑の樹木が生い茂り、そこからあふれ落ちてくる木漏れ日の中を歩いていると、多少暑さを忘れることができる。土の地面の所々には小さな穴が開いていて、ここから蝉が出てきたんだと仲間に聞いて初めて知った。

 8月15日、今日は終戦記念日。振り返ると私の薬物との終戦も今頃の暑い時期のことだった。一度目の逮捕後、やり直しのチャンスをもらって社会に戻った訳だが、その後1か月も経たないうちに二度目の逮捕で刑務所に行った。束の間のはかない社会生活だった。まるで蝉のようだった。それがきっかけで私は薬物依存に対して降伏し、ダルクのプログラムに取り組んでいく内に少しずつ元気になった。身近にいてくれた仲間のおかげだと思う。

 最近は夏のイベントが多く、仲間との交流以外にも、仕事上では多方面の方々との関わりも多く、この暑さも加わって、私自身多少疲れ気味だが、自分のメンテナンスも怠らぬよう気を付けたいと思います。




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