「金環日食」

ダルク後援会 代表 竹谷 基


 5月21日朝、偶然、金環日食を見ることが出来た。街角に老若男女が立ち専用の眼鏡で太陽の方を観ていた。私は、幸いに、小学生の子から眼鏡を借りて観た。なるほど、月が太陽にすっぽり入り残った外側の縁が眩しく光っていた。私は、日食と言うものは光を失って空が暗くなるとばかり思っていた。ところが、空は真っ青、光は眩しく、「風光る」にピッタリであった。改めて、太陽の凄さを知った。天文学や科学の発達していなかった古代世界では、知識は支配者階級の独占であり、支配者は人民を治めるため利用した。日本では陰陽師として知られる。例えば、日食の知識を神託と称し自らが太陽の子、王であることの権威付けに利用した。それは、現代にも通じる。先のアジア太平洋戦争では絶対勝てると喧伝し、無謀な戦争に突き進み、結果、何千万の尊い命を奪ってしまった。戦争を始めた支配者たちは未だに反省せず、現憲法9条の改悪を虎視眈々と狙っているほどだ。また、現在進行形の「原発事故」においても大本営発表で真実は何も明かされていない。4号機の使用済み核燃料プールが非常な危険に曝されている(『世界が未だかつて経験したことのない地球規模の大災害になるだろう』と世界で危惧されている―原発放射能情報より)、ことすら政府からは何も聞かされていない。これまで「原発は安全だ。二酸化炭素も出さず、地球温暖化を防止にする。」との『原発神話』を作り上げ、無知蒙昧な国民を騙し続けて来た。更に、酷いことには巨額な金で麻痺させ物を言わなくさせてしまった。フクシマでの大事故で何十万人の土地、雇用、生活、生態系を破壊した未曾有の大惨事にあっても、今、再稼働しなければ電力不足、停電、産業衰退と脅して、何とか原発を存続させようと躍起だ。また、消費税問題もしかり。支配者とマスコミによって消費税ありきの大合唱、国民はいいように命と金をむしり取られ、貧困化され生活保護に頼れば大パッシング

 知識の独占はそれほどの弊害となる。誰もが知っているでしょう。旧約聖書の人祖アダムとイヴが神から食べてはいけないとの言葉を破り、その木の実を食べた失楽園の物語り。

 それは、そのことの戒めなのだ。知識を持つ、あるいは何が「良し」「悪し」かを決めるのは人間ではない。人間がそれをするなら「死」に至る、ことを教えているのだ。前述の話しがそれに当たる。人は誰もが知識を持つ、道徳的問題にも決定する。けれども、それは相対であり、絶対ではない。常に、目を開き、耳を傾け、探求し続けるものでしかない。でなければ、人は絶対者となり、他者を裁き、地球をも滅ぼす。
私のダルクとの出会いは、私がそれまで持っていた「薬中」のイメージが如何に偏見で差別的であったかを教えられた。「好きだから、だらしがない、粗暴で快楽的、等々」の偏見で彼らを見ていたのであった、ところが、出会ってからは「むちゃくちゃいい奴じゃないか。性格もいいし、仕事もまじめにやるし」と発見の連続だった。また、薬物依存からの回復には家族を含め、周り、社会の「回復」が必要であることを知らされた。

 「知る」はよりよく生きて行くには必須だ。しかし、それは他者を支配、コントロールするためではない。己の未熟さを知り、謙虚となり、命を守り未来につなげるためではないか。ダルクとの出会いはそれを私に教えてくれた。

 どうか、名古屋ダルクへのみなさまのご理解とご協力をお願いいたします。

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