大きな雲がゆったりと左から右に流れてゆきます。ミーティング中、メンバーの話を聴きながら流れる雲を眺めていました。私たち一人一人の回復もゆったりと進んでゆきます。雲は風に運ばれてゆくのでしょうが、私達の回復は先に新しい生き方を手に入れた方々の話に耳を傾けることから始まります。最近の名古屋ダルクですが、新たな事として、ナイトケアハウスが平成24年1月1日より、ケアホーム、グループホーム一体型の指定を受けたこと、名称は「ホープ」です。 又、刑務所出所者に対しての受け皿として、名古屋保護観察所より指定依頼を受け引き受けた「自立準部ホーム」は、仮釈放、満期を問わず出所後一定期間内であれば、利用可能になります。上記2か所の開設により、利用者の幅が広がります。職員の仕事は増えますが、増えた分は古いメンバー達が補ってゆきます。最近の薬物問題として脱法ドラッグがあります。1月につながってきたジュンは、警察の方のご厚意によりダルクの前で置き去りにされましたが、彼のように警察からつながってくる人もいます。ジュンを初め、若者達は“ハーブ”と呼び、ファッション感覚で手を出しますが、今、出廻っているモノは最悪です。使用すると気絶し病院に緊急搬送される事例が増えております。大きな社会問題です。もはや、薬物依存は対岸の火事ではありません、次世代の事を思えば今より深刻化している事は明らかです。これをお読みくださる方々で、今後薬物問題でお困りの方が居たり聞いたりしたら、どうぞダルクを教えてください。その時、私共は役に立ちます。個々の置かれている状況を一緒に考え“何がその人にとって幸せにつながるのか?”ベストを尽くします。今やダルクは全国に60ヶ所と増え続けております。名古屋ダルクを23年来お支え下さる皆様、今後増々ダルクは皆様方の支えを必要といたします。一人一人の未だ苦しんでいる本人と周囲の方々の痛みと孤立に効くのは共感です。回復の場とお支え下さる皆様方がおられる限り絶望的な問題もゆったりと希望に向きを変え始めます。 春はすぐそこまでやってきました。名城公園の梅も開き始め、木蓮も銀の蕾を大きく膨らませ始めました。新しくつながった“ジュン”にも笑顔が戻り始めました。お支え下さる皆様のおかげでもあります。名古屋ダルクをお支え下さる事、心より感謝いたします。ありがとうございます。 名古屋ダルク一同 職員 津山智樹
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