生きる喜び

ナイトケアハウス「ホープ」責任者 津山 智樹


 春になりました。冬を乗り越えた木々も蕾を膨らませ、閑散としていた名城公園も新しい命にあふれています。毎年一番初めに咲く紅梅もぱっと花開きました。皆で近づき紅梅が放つ、ほのかな香りを楽しみました。感想は様々です。「オッ、こんな匂いなんだ!」「梅ガムと同じ匂いだ!」「横から見るとバカボンパパの鼻だ!」著しく、情緒に欠けていますが、命の息吹を感じ笑いに満ちています。木々や草花のように私たちも、長い長い冬を乗り越え、心から笑える日は確実にやって来ます。ミーティングで自身と向き合う時間、名城公園で息吹を感じられるのも、理解しようと私たちに歩み寄ってくださる方々の支えあってこそです。

 ナイトケアハウス、開所より今日までの三年間、たくさんの方々の御寄付によってのみ、運営維持されてまいりましたこと、改めて御礼申し上げます。皆様に支えられ、回復の機会と場所が与えられ、再生を果たす沢山の命があります。ホープですが、グループホーム、ケアホームも視野に入れた申請のために、今後、消防法やら建物のことなど、細かい点を行政の方や沢山の方々のもとに足を運び、年内の申請を目標とします。刑務所メッセージが届き、ダイレクトでやってくる方が増えております。先日も少年院よりの依頼で入寮希望者に会ってきました。伝えることは、薬ナシの人生を送りたいのか?リハビリは厳しい事、365日毎日休みなし、ケイタイなし、最低一年間は“やる”という覚悟を自分で決心したら連絡ください、と伝えて帰ってきました。彼もそうですが、何処からも誰からも支援が得られません。彼らは、皆様方に支えられリハビリが可能になります。そして、24時間寝食をともにし、共感し、時間を掛けて、心を開き始め、自分の話しをし始めます。誰かが、その心に触れ素直な話をする。本当に豊かな、贅沢な機会と回復の場が与えられることになります。

 私自身もそうでしたが、希望や、前向きな気持ちでつながったわけではなく、支え手もやり尽し、本人も最大限の努力をしても、結果は望まない事ばかり、そんなことの連続でした。希望など、持てるはずがない状態ですが、奇跡は起こります。現在ナイトケアハウス、4名で生活を共にしており、2名の入寮予定者がおります。絶望のどん底から這い上がるには、そこから這い上がった人の経験が必要です。一生アディクトですが、少し頭がクリアになってくると、自分の周囲にはこんなにも支えてくれる方々がいるんだと実感いたします。“自分を大切にする”友人から届いた言葉です。明日輝くために!今日一日、ベストを尽くす!大変ですが、ハイヤーパワーは、乗り越えられない問題は与えない!そう信じています。私たちがあきらめない限り必ず再生は可能になります。生きる喜びを再び取り戻すために!

NEVER TOO LATE
NEVER GIVE UP !

名古屋ダルク感謝状授与
  名古屋ダルク設立以来20年間の功績が認められ、昨年12月11日に厚生労働大臣感謝状をいただきました。これを励みに、これからもダルクの活動を一生懸命続けていきたいと思います。皆様のおかげと感謝しつつ、今後ともより一層のご支援をよろしくお願いします。



献金件数(ナイトケアハウス・ホープ)
11月 10件 85,435円
12月 9件 253,985円
H22/1月 9件 52,520円
28件 391,940円

郵便振替口座番号: 00800−4−133552
加入者名: 名古屋ダルクナイトケアハウス基金


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