ナイトケアハウス「ホープ」責任者 津山 智樹 「ナイトケアハウス基金」の一番初めの通帳の日付を見ると平成18年11月15日とあります。5ヶ月の準備段階を経て平成19年5月1日の開所より数えて3年が過ぎました。開所当初からの目標であるグループホームですが、今年度、申請に必要な厚生労働省の定める研修会に参加させて頂き、サービス管理責任者地域生活(知的、精神)分野と相談支援従事者初任者研修を修了いたしました。平成22年2月1日、2日と研修会に出ると、申請のための準備が整います。 この3年間ですが、全て皆様方の御寄付に依って運営維持されてまいりました。月一回、教区内のカトリック教会の御ミサに参加させて頂き、活動支援のお願いと寄付金箱を持って回らせて頂いております。その際、新しくつながった仲間が寄付金箱を持ちましたが、皆様方に声をかけられることに戸惑いながら喜びを感じ、小学2年生の男の子に「がんばってください。」と言われ、あまりの感動に涙が出そうになり、思わず上を見ていた姿が印象的でした。彼は拘置所から紙袋2つ、所持金60円でやって来て、即日入寮。次にやってきたのは25才の青年、医療刑務所を出てその足でやってきました。所持金4,760円です。彼も即日入寮。上記の2名は皆様方に支えられ、日々の生活費から衣食までを与えられ、プログラムに参加しております。 この様にして開所より、沢山のアディクトが支えられ続けております。現在ナイトケア定員一杯の5名で生活しております。古い仲間が新しい仲間のサポートをし、掃除から洗濯、消耗品の買い物等、日常生活の練習迄分かち合っています。時々パワーゲームが始まりますが、利用者同士のハウスミーティングで解決しています。 行き場を失くし、絶望しダルクにつながってくる人達が時間をかけて自身の生きづらさと向き合い始め、再生が可能となります。回復の場がある限り沢山の命が支えられることになり、人々に支えられていることを実感し始めると、心が開き始めます。 今年も残す所わずかとなり、皆様方に支えられ続けて、ナイトケアハウス「ホープ」がある事に感謝いたします。 カトリックの皆様方、個人的にご支援下さる方々に心よりお礼申し上げます。皆様方に支えられ、私共は回復の機会を得る事が出来ました。ありがとうございます。 どうぞ、よいお年をお迎えください。
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