新しい政権

ダルク後援会会長 竹谷 基


 総選挙は民主党の大勝利、今後4年間、日本の政権を握ることとなった。さて、今回の選挙も騒いだわりにはマスコミ等には何故か影が薄かったと思うのは私だけでしょうか。というのは、高校野球とか就中、覚醒剤取締法違反で容疑者となった某タレントの話題が連日ワイドショーで取り上げられていたからも知れません。同容疑で芸能人が逮捕されるたびに異常な個人バッシングが始まる。もちろん、犯したことの責任と償いはしなければならないが、その社会的背景とか依存症のこと等をも含めて日本社会の、格差社会、貧困層の増大等、の問題として取り組まなければならないのではないでしょうか。なぜなら、自己責任だけを問題にするならモグラ叩きで終わり、覚醒剤問題は後を絶たないであろうから。

 先日、「アメリカ万歳」という映画を見ました。それは、現在の米国で犠牲となっている貧困層の若者たちの実態を描いています。冒頭、イラク戦争で戦死した米国軍人4000人の墓標が映し出されていました。なだらかな丘に白い十字架が所狭しと並んでいます。それを見つめる母親たち。何故、若者たちは戦死し、母親は悲しまなければならないのでしょうか。私には米国を告発しているように思われました。

 次に、映画では、男女の若者が軍隊に入隊し新兵訓練(それをブートキャンプ場と言う。)を受ける様子を映しました。それは、殺人マシーンを作る訳ですから、人格を破壊して行く狂気の世界でありました。若者らは貧困から抜け出るため軍隊に入らざるを得ません。しかし、そこで待っているのは人格破壊、卒業後は戦死、運良く生還できてもPTSD、そして、ホームレスであったのです。戦死した若者、PTSDに苦しむ青年、ホームレスとなって森に住む人々、それらは決して個人の責任ではありません。これ以上、若者たちの悲劇をなくすには現在の軍需産業中心の米国社会、格差社会を創り出し、貧困層は使い捨てられても誰も何も言えない米国社会を変えるしかありません。一握りの富める者たちが回心しなければならないのです。

 日本の覚醒剤乱用問題においても、薬に頼らなくても生きてゆける社会、誰もが公正で平等に夢が実現できる社会を創ることがその解決に繋がるのではないでしょうか。新しい政権が米国追随によって若者の悲劇をもたらすのか、私たちは注視して行かねばなりません。

 名古屋ダルクの「薬中」サポートは「今」は無論、「将来」にも関わることです。

 どうか、みなさまのご理解とご協力をお寄せくださいますようお願いする次第です。

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