ワールド・コンベンションN.A.in テキサス

名古屋ダルク代表 柴 真也



 まだ、残暑が厳しい8月末、僕たちはアメリカ・テキサス州サンアントニオ市にいた。2年/1回行
われるW.C.N.A.(薬物依存者の回復を祝う世界大会)に参加する為だ。全米はもちろん、世界数十ヶ
国から仲間達が集う。そこのメイン会場はまるでベースボールの試合ができるのではと思うくらいの大きっなホールで、そこが回復中の“薬中”で埋まる。数百万の参加者はネームタッグをつけていて、そこには国やファーストネーム、薬が止まった日が記されている。言語や肌の色が違っていても、私たちはそれだけでわかち合える。

 しかし僕自身はとてもシャイで人とのコミニュケーションは苦手だから世界大会の時は金髪(白髪?)にして参加する。東洋人の金髪はとても目立つ。すると多くの仲間が声を掛けてきて、ハグをしてくれる。そのせいか僕と一緒にいたメンバーは何十回と写真を撮られた。日本という小さな島国にも回復中の薬中がいるというメッセージになれば嬉しい。

 海外に行くといつもハプニングがある。今回は火事だった。午前4時、ホテル内に警報が響いた。そして「火事だから避難して(英語)」と放送があった。えらいこっちゃとパスポートと現金の入ったバックとタオルを持って仲間たちと避難した。ホテルの外には既に消防車とパトカーが到着していた。大事には至らず全員無事。神様、貴重な体験をありがとう。多くの仲間たちと出会い、また会おうと別れた。そして四日間の大会は終了した。

薬物依存は不治の病といわれている。しかし回復はできる。私たちは何万人という“証人”と出会った。

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