ハワイNAギャザリング(その2)

名古屋ダルク代表 柴 真也


  
“海の向こうにいる数百名の回復中の薬中に出会いたい”

 ハワイのオールドタイマー(薬物を長年使わずにいて回復の12ステップを実践している人)にダルクの新しい仲間を紹介した。NAでは新しい仲間を特に大切にする。その後新しい仲間はモテモテだった。そういう本当のNAの精神を皆に肌で感じてほしかった。

 キャンプモクレイアは集会場とバスケットコート、キャンプ場、ログハウス、宿泊棟があり目の前には美しいノースシュアのビーチが広がる。海ガメがよく姿を見せる。メンバー一同シュノーケリングで海ガメ捜索をした。カメは水中ではやたらと速い。すぐに見失ってしまう。食事は広い会場で一緒にする。片言の英語でコミュニケーション。夜には200名以上の仲間が集うメインミーティングがあり、バンド演奏やコメディショー、ラッフル、ディスコタイムもあった。私はギャザリング初日で風邪をひき熱は38℃あった。ジュースが欲しくて何気なくディスコ会場に入った。アメリカ人は踊りが上手いなぁとソファーに腰をおろししばらく眺めていた。知ってるメンバーと目が合ってしまった。マズイと思ったら案の定誘われた。熱があるからカンベンしてくれと英語で何と言うのだろう??と悩んでいるうちに踊ることになった。目まいがした。皆とても楽しそうだったので少し幸せな気持ちになれた。

 恒例のクリーンのカウントダウンが行なわれた。お互いのクリーンタイムを分かち合うイベント。40年から始まり、1年ずつ39,38,37..。35年。30年以上が2名いた。拍手。アメリカでは10年以上のメンバーは珍しくない、たくさんいる。自分の番で10年で立ち上がった。クリーンでいる素晴らしさを共有してもらえてうれしい。日本のメンバーも順番に立ち上がった。1年を切ると11ヶ月、10ヶ月となる。一気にボルテージが上がる。新しいメンバーほど大切である。拍手とかけ声(英語やヒューヒュー)。1ヶ月を切るとさらに上がる。手拍子、足拍子、Keep coming back!の声。数名の仲間がいた。300名近い仲間から祝福を受ける。泣き出す仲間もいる。もらい泣きしそうになる。大歓声の中カウントダウンが終わった。最後は全員で祈る。あっという間に3日間が過ぎ、帰り際にNext year!と声がかかった。笑顔でこたえた。来年も来たいと思った。

 世界には薬物依存から回復に向かっている大勢の仲間がいることを日本の新しい仲間に伝えていきたい。可能ならまた一緒に来たい。僕の回復のためにも。

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