ハワイNAギャザリング(その1)

名古屋ダルク代表 柴 真也


  
“海の向こうにいる数百名の回復中の薬中に出会いたい”
 
2006年4月中旬、ダルクメンバー、OBを含む7名でセントレア空港よりハワイへと旅立った。

 毎年春になると、ハワイ州オアフ島でNAギャザリング(薬物依存者の自助グループの大会)が行なわれる。300名以上の参加があり、数日から数十年クリーンでいる数カ国のメンバーが集う。

 日付変更線を越えて早朝のホノルル空港に到着。そして最大の難関である入国審査。入国の際に諸事情で厳しく審査を受ける者もいる。私たちは回復に向かっている薬中と出会うためにハワイに来た。しかし、ここでDorg...などと余計なことを口走ると別室行きで数時間の取り調べである。ここは無事に通過したい。メンバー達に入国の際の注意事項を伝え、いざ、入国審査へ。無事全員通過!空港の外で、全員が入国できたことを神様に感謝しつつ、大型タクシーに乗り込む。コンドミディアムのホテルに着。安いホテルだがビーチ近し。それで満足。久し振りの入道雲。ひと足先に夏。夕方になりビーチの横で行なわれているNAミーティングに向かう。大きな太陽が水平線に溶けていく・・・空と海と太陽の色が混沌としている。

 オアフ島では1日に4〜6ヶ所でNAミーティングが行なわれている。ちなみに名古屋市内では現在1日2ヶ所。かなりサービスが進んでいる。12本のヤシの木があるビーチサイドの公園で週に5回ミーティングが行なわれている。日本から来たと伝えた。たくさんの仲間が歓迎してくれた。久し振りに会う仲間も来ていた。ハワイでは1日おきに英語のミーティングに参加し、あとの日は自分達で日本語ミーティングを行なった。自由な時間は皆それぞれ楽しんでいた。私たち依存者にとって“シラフで楽しむこと”は生涯のテーマである。それができずに再び薬物使用へと戻ってしまう人も多い。練習するよい機会だと思った。海で日焼け、泳ぐこと、ジョギング、サイクリング、散歩、買い物やウインドーショッピング、料理、読書、シュノーケリング、黙想、筋トレ、山登り・・・私は今回ダイビングをやってきました。やっぱり海はいいです。

 オアフ島の北にあるノースシュアにてNAギャザリングが行なわれた。レンタカーを借りワイキキの雑踏から離れのどかなパイナップル畑を走った。一本道の丘を越えたら少し遠くに海が見えた。会場となるキャンプモクレイアに到着。合宿の参加申し込みをした。熱い歓迎を受けた。その時宿がいっぱいだったが、日本のメンバーの為に詰めてくれて1棟空いた。感謝。仲の良いメンバーが会場に来ていた。目の前に立つ。互いに両手を広げて満面の笑み。言葉は要らない。熱〜いハグ。上下関係も利害も約束も無い、ただ相手の幸せそうな顔がうれしい。無償の愛、本当の友情がここにある。   (次号に続く)

戻る