ダルク後援会会長 竹谷 基 今年もまた、スポーツイヴェント盛り。冬はトリノオリンピック、春のワールドベースボール、そして、夏のワールドサッカー、と休む間もなく、次から次へ脳内革命される。一年通して、日本中ワイワイ、ギャーギャーお祭り気分で過ぎて行く。まあ、スポーツに熱狂することは結構ではあるが、それしかないのかと言いたくなる。肝心なことを忘れないようにしたい。 現を抜かしていると、政官財界のタヌキ爺どもの思う壺。憲法や教育基本法の改正、共謀罪、米軍との一体化、社会保障費の限りない削減、等々。いつの間にやら、戦争をやる国へ、弱者の不満は非国民とされてしまう。スポーツを楽しむことさえも出来なくなってしまう。戦前のように国威発揚の具となる。 忍び寄る軍靴の音に鈍感な私も不安になっているが、それを打破するにはどうしたらいいだろうか。元来、怠け者の私にはちと重過ぎる。まじめにやるにはシンドイ。肩怒らし、しかめっ面して声高に憲法守ろうと叫んでは、周りからは相手にされないだろう。そう思っていたところ、ラジオからいい話しが飛び込んだ。 里山ならぬ里海の話し。東京湾の海を守ろうと活動しているNPOの代表の方が、頑張ってしているのではなく、楽しんでやっているとの言葉がとても新鮮だった。毎朝、子どもから頑張ってねと声をかけられて仕事に出かけるより、楽しんでねと言われた方が嬉しい、と言う。そして、子どもたちと干潟などを学ぶ催しを‘楽校’と呼んでいる。その方の言葉の端々の楽しいから、好きだからに共感した。 私は合点した。生きるにしても物事をするにしても‘楽しく’やることをモットーに。その方が私の性分にも合っている。思えば、私のホームレスとの関わりも同じだった。人から義務感からだとかまじめだからとか言われるが、そんな高尚ではない、楽しいから、好きだからやっているに過ぎない。もちろん、問題は山積で怒ったり、悩んだりもする。でも、楽しくやらなきゃ身が持たない。憲法改正反対も楽しくやらねば、その工夫を考えるのも楽しく。 薬物依存者との関わり、そりゃ深刻で真剣に取り組まねばならないことだ。しかし、モットーは‘楽しく’だと思う。依存者に頑張れ、頑張れ、と言うのではなく、楽しもう、楽しんでね、と声をかけたい。もちろん、自分自身へも。 どうぞ、みなさまもご一緒にこの‘楽しい’道を歩みませんか。 |