春の足音と共に

笠嶋 敏


 寒さに凍えながら、三河を歩き出して4ヶ月が過ぎました。

 渥美では2月に菜の花が満開でした。週末、岐阜ダルクから長良川を走っています。日ざしがあたたかくなりました。タンポポが咲いています。川がキラキラ光っています。鳥がさえずっています。美しい自然が目の前に拡がっています。長良川を走る度に三河の川を思います。矢作川、豊川、乙川、佐奈川など。どの川を走ると気持ちいいかなとか、廻りの風景とか。

 三河に通いながら、この辺の畑がいいなとか、この古い一軒屋がいいなとか、ここに銭湯があってといろいろ空想しながら歩いています。人との出会い、場所、資金を求めて、自分の無力さを感じる日々が続いています。人にほめられる事、あいつはすごいと言われる事で自分の存在価値を見出して生きて来ました。

 今でもミーティングで「俺はこんなけ(これだけ)がんばってるからみんな認めてくれ」と言いたくなります。自分の自慢を聞いて欲しくなります。今まで人を押しのけて、俺が俺がと生きて来ました。今は一日、電車に乗って三河に通い人に会うのに必死です。楽にお金が集まればと思います。女性に逃げたくなる時があります。そんな自分だからこそ一歩一歩、今日も電車に乗って三河に通います。徐々にネットワークが拡がって来ました。春の足音と共に、確実に進んでいます。

 いつもダルクの活動にご理解とご支援をありがとうございます。


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