「ダルクとつながって」その1
ビューティフル ドリーマー 黒潮カッチン

 薬を使い続け、精神病院に愛想をつかれ、ダルクを紹介されましたが、それからも薬を使い続けました。そして、目、耳、手足が震えしゃべる事が思う様にできなくなった。ダルクに行く事にした。母親の肩にしがみつきながらゲロを吐いた。

 ダルクに入寮してから、自分の最初のプログラムは、まずは歩ける様になる事からでした。歩ける様になり、走れる様になり、バーベルを始めた。すっかり体は復活し、一年たった頃にはアルバイトが始まった。貯めたお金でハワイとタイの薬物依存者に逢ってきた。二年と五ヶ月たった今、自立に向け、部屋を探した、三月から新しい生活が始まる。自分への期待と不安で胸が一杯です。でも仲間の言葉から思い出すのは「その時になってから考えましょう」と、今日一日です。

 大切なもの、この街で見つけた。


「ダルクとつながって」その2
トモキ
 軽い気持ちで、薬を使ってから23年が過ぎました。母は、あんた達を殺して私も死ぬと云った。刑務所にも入った、結婚し娘が生まれた、離婚もした。薬は止まらず、投げやりだった。考え方は、その場しのぎ、物事を続ける事ができなくなっていた。過去に囚われ新しい事に目が向かなかった、シラケていた。二年十ヵ月位前に酒を飲んだ、今は止まっている。

 ふり返ると、当時は都合の悪い事は何故か話せなかった。隠す事によって心の深い部分で自分を責めた。だから自分を大切にできなかった。名古屋に来て4年目に入る。最近は自分と向き合う事を大切にしている。それを意識でき始められたのは、長い目で見守ってくれ、成長しつづけている回復者が側にいたからです。長い時間が掛かっていますが、離れなければ大丈夫、必ず生き方を変え続けられる、と周りの仲間を通して信じられる様になりました。
 


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