体験談

あれから6年数ヶ月・・


 1995年9月4日、まだ残暑が厳しい夕暮れどき、僕はダルクの扉を開きました。髪は五分刈りが伸びきったような頭、両手にバックを持ち拘置所から出てきたばかりの僕は、これから先の人生に大きな不安を抱えていました。18歳の時、好奇心から遊びのつもりで市販薬の咳止めを使用し始め、毎日薬とアルコールを使用するようになりました。精神科にも4回解毒入院を繰り返し、警察にも捕まり、24歳の時、名古屋ダルクでリハビリを受けました。毎日ミーティングに参加し、名城公園を仲間と共に走り、薬が止まりました。何とかアルバイトも始め、夜は毎日、NAという薬物依存症者の会に参加していました。僕は少しずつ元気になっていきましたが、時には仲間との悲しい別れもありました。その後、沖縄県にあるダルクのスタッフとして勤務しました。利用者は20名位いて全員が入寮しており、共同生活をしていました。色々と大変な事もありましたが、いつか自分がリハビリを受けた名古屋ダルクのような、小さな少人数制のダルクがやりたいと思うようになりました。そして昨年より名古屋ダルクで職員をしています。あれから6年数ヶ月、あの頃はダルクの職員になっているとは夢にも思いませんでしたこの場所と、仲間との出会いがあったから薬が止まったのです。この場所があったから・・。
 今日も、仲間達がダルクに通ってきます。僕は一人の薬物依存者として仲間と共に過ごし、回復の手助けすることはできますが、ダルクを資金面で支える事はできません。どうかこれからも、名古屋ダルクを暖かく見守り支えて下さい。宜しくお願い申し上げます。

名古屋ダルク 柴 真也

薬物依存者本人の相談、お問い合わせ先
名古屋ダルク 〒462-0834 名古屋市北区長田町4-67 TEL&FAX 052-915-7284


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